以前セミナーを拝聴してから、
山口周さんという経営コンサルタントの方の本を好んで読んでいます。
山口周さんはビジネスの未来を語ることが多いですが、
厳しい指摘をしつつも、悲観論ではなく、
良い方に向かっていくことができるよね、という結論に至るところが好きです。
2024年に待望の新著「クリティカル・ビジネス・パラダイム」が出たので、早速購入し、拝読した次第です。
クリティカルビジネスとは?
この本を読むにあたって一番重要な「クリティカルビジネス」という単語
クリティカルビジネス
社会運動・社会批判としての側面を強く持つビジネス
テスラ、イケア、パタゴニア、ボディショップのように、
解決したい社会課題をビジネスの命題として打ち出している企業がクリティカルビジネスに当たる。
例えばテスラは「化石燃料に依存する文明のあり方に終止符を打つ」というビジョンを掲げているらしい。
社会起業と似ているが、
社会起業が「現在ある課題」を解決することを目的にしているのに対し、
クリティカルビジネスは「まだ問題視されていない課題」を課題としてとらえているのが大きな違いである。
感想
クリティカルビジネスを推し進める際に
社会への憤り、課題を解決することへの狂信性も必要になってくることを考えれば、
これはパンク(音楽)がビジネス化したものだと考えられなくもない。
読んでいて、例に出てくる企業の姿勢がとにかくかっこイイのだ。
かっこイイというのは、ビジネスにおいても何においてもとにかく大事で、
どれだけ崇高な課題を掲げてもそれがダサくては大きな流れにはならないだろう。
本書の締めにはジェイミー・ウイリアムズ氏の言葉を引用して日本の美点をあげつつも、
日本にはクリティカルビジネスが生まれづらい土壌があることを指摘している。
私も社会起業にあこがれていた一人のおじさんとして、
良きクリティカルビジネスには積極的に投資をしていけるようになりたい。
願わくば「Fairphone」のような修理できるスマホは、すぐにでも日本に出来てほしいなあ