【全文翻訳】The Leaftail Lounge Ep.3 – Sydney Jersak of Tree Critters

The Leaftail Lounge Ep.3 というヘラオヤモリに関するYoutubeがヘラオヤモリ飼育者にとって有意義過ぎる内容だったので、全文を翻訳しました。

■登場人物
Jack:ホスト。アメリカ・カリフォルニア在住。エベノーヘラオヤモリを中心にブリード。ヤマビタイやトゲヘラオヤモリも飼育。その他の爬虫類も多々飼っている。でっかいテントを飼育部屋にしている。
Sydney:ゲスト。カナダ・アルバータ州在住。エダハヘラオヤモリを中心にブリード。ヤマビタイやスジヘラオヤモリ、トゲヘラオヤモリも飼育。現在獣医を目指して大学に通っている。

Dale:名前だけよく登場しまする爬虫類界の大御所。おそらくTamura DesignsのDale Tamuraさん。

※Youtubeの全内容を日本語化していますが、明らかな雑談や相打ち部分、不要な個人名は削除しています。

↓全文は長すぎるという方は、要約してまとめた下記をご覧ください。

目次

導入・冒頭あいさつ

Jack:
みんな「Leaf Tail Lounge」を見に来てくれてありがとう!
今日はシドニーがゲストに来てくれました~。

Sydney:
Tree Critters のシドニーやで~。
よろしく~。

Jack:
君が最初のゲストで本当にうれしいよ。

早速質問をしたいんだけど、
まず初めにヘラオヤモリとの出会いについて教えて。

Sydney:
OK。
ヘラオヤモリの存在自体は何年も前から知ってたんだよ。
Googleでよく見るエダハヘラオヤモリのフェイク画像知ってる?
その画像がはじまりだね。

あの画像を見て、
「こんなの誰かのオリキャラなわけないやろ」って思って、
ネタ元を調べ始めたんだ。

その頃、わいはニューカレドニア系に激ハマりしてて、
15-16歳くらいの時に、本格的にニューカレドニア系の繁殖を始めた。

ヘラオヤモリの存在は知ってたけど、
当時カナダでヘラオヤモリを持ってる人はほぼおらんくて、
どんな種類がおるかも知らんかった。

だから、そこまで強い興味もなかったんよね。

でも2000年ごろに、オンタリオに住んでるヤツが
「ヤマビタイヘラオヤモリを5匹販売するで~」
って投稿してて。

それを見て、
「スペースもあるし、ずっと欲しかったし…買うしかないな!」
って思って買った。

で、届いて、箱から出した瞬間に、
「アカン!これはもっと欲しくなるやつや!」ってなった。
つまり、そのヤマビタイヘラオヤモリたちが始まりだよ。

Jack:
その個体たち、今もまだ飼ってるの?

Sydney:
残ってるよ。最初のオスは今もいる。

ヤマビタイヘラオヤモリのペアは何組かいたけど、
今年、わいが学校に戻ることになったから、数は減らしたんよ。

だから今は、ヤマビタイのペアは1組で、オスはその最初の1匹だけ。
でもそのオスが、最強で最高だから、特に不満もないよ。

今は、エダハヘラオヤモリがメインになってきてる感じかな。
エダハはメスが5匹くらいで、オスが4匹。
オスのうち1匹はまだ育成中。

繁殖も前の年ほどガンガンはやってない。
めっちゃ忙しくてさ。
まあ、一回ちゃんと環境が決まれば、維持することは難しいことじゃないから。

繁殖したベビーの突然死について

Jack:
「環境が決まれば」についてもう少し教えて。

初期とか、最初の個体たちで、何かトラブルとか、記憶に残ってるようなことはあった?

Sydney:
ヤマビタイヘラオヤモリについては、特にないよ。
手に入れてからずっと順調。

最初の2匹のエダハヘラオヤモリは、
友達がワイルド個体を輸入したやつなんだけど、
その友達が事情があって手放さなきゃいけなくなったんだ。
それで、わいが譲ってもらったんよ。

エダハは、ヘラオヤモリの中でも、
特に温度に関しては、一番難しい
部類だね。
でもこれまで温度が原因で落としたことはない。

ただベビーが、孵化してから数日で急に落ちる、みたいなことはあったよ。
孵化した直後って、卵よりさらに小さいじゃん。
0.5グラムしかないベビーが、卵から出た時点で調子が悪いとき、できることはほとんどないよね…

自然の摂理、ってこともあるから…

だからわいは、こう考えるようにしてる。
「生まれた個体が生き延びるようにできてないなら、それは自然淘汰だ。
 わいのやり方が間違ったから起きてるわけじゃない」って。

それに、健康状態があまり良くなくて、
遺伝的にも健全とは言えないような個体をたくさん繁殖することに、意味はない
とも思ってる。

特に、飼育下繁殖っていうのは、
野生個体の採集を減らしたい」っていう目的もあるわけだし。

だから「これは単に悪いクラッチだったな」
って割り切って考えられるようになる。
どうやってもそういうことは、起こるからね。

Jack:
それはエベノーヘラオヤモリでもよくあるよ。

特定のペアに限って起こることもあって、
今年はある1ペアで、孵化したベビーが全滅したんだよ。

孵化してから、2〜3週間後くらいに全滅。。
理由は全くわからない。

このペアから出た個体たちは、
いつもかなり小さくて、健康なベビーを作る、っていう点ではうまくいってない。

卵自体はちゃんと機能してるんだけどね。

だから、あまり自分を責めすぎないようにしてる。
来年はやり方を変えるしかないね。

Sydney:
うちでも今年、あるメスから生まれた8匹のうち、今残ってるのは4匹だけ。
残りの4匹は、孵化して1週間くらいで、突然死んぢまった。

餌も食べてたし、動きも普通だったのに
ある朝起きたら全滅してて…

でも、他の個体は全部順調。

うちの孵卵期間は、だいたい100日くらいで、
冬だと120日くらい。
今年はそれ以外、何も落としてないし、

Jack:
特定のクラッチだけ調子が良くないってことはありそうだね。

ところで、エダハヘラオヤモリでも孵化サイズの違いってある?

孵化サイズや、ハッチまでの期間について

Sydney:
あるよ。
親が大きいペアだと、ベビーも明らかに大きい。

でも、同じメスからでも、全然違うこともある。

わいはだいたい孵化日があまり離れないように調整してて、
基本的には、数日以内に揃うようにいじるんだよね。

でも前に、同じクラッチの卵で、1つは90日くらいで孵化して、
他をそのままにしてたら、20日くらい差が出たことがあった。

で、20日遅く孵った方が、先に孵った個体より小さかったんだ。

それ見て、「え、面白いな」って。

Jack:
なるほどね。

エベノーヘラオヤモリの場合、
同じ日に2匹同時に孵ることは、ほとんどない
気がする。
少なくとも、わいのところではない。

エベノーヘラオヤモリ はそういう意味では全然安定してない。

でも ヤマビタイヘラオヤモリは、だいたい同じ夜に一気に出てくる

ただ、一回 ヤマビタイヘラオヤモリのクラッチで、
ハッチに1ヶ月くらい余分にかかったことがあったんだけど、
それでもちゃんと孵った。

しかも、遅れた個体の方がめちゃくちゃ綺麗だった。

ニューカレドニア系を飼ってた頃の話について聞きたいんだけど、
卵を転がしたりすると、胚が死ぬことはないけど、
孵化が遅れる、みたいな話がちょっとあったよね。

ニューカレドニア系やってた時、そういうの経験した?

Sydney:
いや、なかったね。
そういう話は聞いたことないかも。

逆に一つが孵って、もう一つが数日間なかなか孵らない時に、
卵をちょっと転がしたら孵った、ってことはあったよ。

たぶん、卵を見つけて、うっかり一つ転がしちゃって、
それから孵化器に入れた、みたいな状況だと思う。

正確には、分からないけど。

自分自身ではそういう話は特に聞いたことないな。

Jack:
なるほどね。

Sydney:
エダハヘラオヤモリのベビーについても、今年からやり始めたことがあるんだよ。

アルバータ州って湿度がほぼ存在しないんだよね。
普通で湿度20%とか。

それで、エダハヘラオヤモリのベビーを、
孵化後も24〜36時間くらい孵化器にそのまま入れておくようにした
んだ。

ちゃんと脱皮を終えさせるためにね。
っていうのも、乾燥しすぎると脱皮でかなり苦労するのを見てきたから。

Jack:
じゃあ、その話題に移ってもいいかな。

さっき言ってたみたいに、そっちはかなり乾燥してるんだよね?
湿度を上げるためにやってることとか、飼育環境について、話してもらえる?

飼育環境~トゲヘラオヤモリの飼育について

Sydney:
今飼ってる個体は、全部、完全にバイオアクティブで、排水層を入れてるよ。

その排水層に、2.5㎝-3.8㎝くらい水をためると
植物のためだけじゃなくて、湿度を上げるのにもかなり効果がある。

ちなみに、爬虫類を飼い始めてから今まで買った中で一番良かったものは、
MistKing(自動噴霧器) !!

あれはマジで最高。

Jack:
ほんと、最高の買い物だよね。

Sydney:
前は手動で霧吹きしてたんだよ、ポンプ式のやつで。
5分くらいひたすらシュッシュって。

でも今は、数週間に一回水を補充するだけ。
時間をめちゃくちゃ節約できる。

旅行に行く時とかも安心。

実は、来週から9日間の昼夜ぶっ通しのハーピング旅行に行くんだ。
全部プログラムはしてあるけど、ベビーだけは、友達に来てもらって手で霧吹きしてもらうと思う。

Jack:
わいもそうしてる。
MistKing だとベビー用ケージ、水浸しになるよね。

2代目があれば、また話は違うけどね。

話は戻るけど、基本的にはバイオアクティブが中心なんだよね?

サイズ的には、
エダハヘラオヤモリは30*30*45
ヤマビタイヘラオヤモリ45*45*60みたいな感じ?

Sydney:
だいたいそんな感じだね。

エダハヘラオヤモリは、30*30*60 に変えようかなと思ってる。
もう少し高さを持たせてあげたいから。

でもまだ実行は出来てないんだよ。
新しいエキゾテラのケージについてちょっと思うところがあってさ。
まあ、それはここでは話さないけど(笑)

Jack:
でも、計画はあったんだね。
今のところ30*45で特に問題は起きてない?

Sydney:
今は3045を5台使ってるよ。
エダハはメスは何匹かを一緒にしてて、オスは基本的に単独飼育

冬の間はメス同士はグループにしてる。
活動量が落ちるからね。

Jack:
ヤマビタイヘラオヤモリと エダハヘラオヤモリ、
両方そうしてるの?

Sydney:
いや。ヤマビタイヘラオヤモリは2匹しかいないから、
冬の間はそれぞれ単独ケージ。

繁殖期になると、オスをメスのケージに入れるんだ。

トゲヘラオヤモリの45*60 も同じで、
メス2匹と繁殖に使ってる成体オスを分けてる

それとは別に、育成中のオスもいて、一緒に入れる前にしっかり育ててる。
攻撃性が出ないようにね。

「トゲヘラオヤモリはすごく穏やかだ」って言う人もいるけど、念のためね。

実際、メスはかなり穏やかだから、そこまで心配はしてないよ。
でも、オス同士がやり合うのは怖いじゃん?

レア度が高い種類だから、
「まあ大丈夫だろ」って試すようなことはしたくないんだよ

実は一時的に、トゲヘラオヤモリ のオス2匹を40*75 のケージで一緒に飼育してたことがあるんだ。

噛み跡とかは特に見なかったんだけど夜になるといつも片方だけが表に出てきてて、
もう一方はほとんど見なかった。

追い回されてたのか、とか、原因は分からないけど。

ちなみに、King Snake って知ってる?

Jack:
いや、知らない。

Sydney:
昔あった爬虫類飼育者向けのフォーラムで、
掲示板とか売買もあったサイトなんだけど。
それが最近また買い取られたんだよね。

で、この前ちょっと覗いてみて、昔のスレッドをいろいろ漁ってたんだけど、

2000年代初頭くらいの、トゲヘラオヤモリに関する古いスレッドが意外とたくさんあって。

Jack:
ああ、まだ結構定期的に入ってきてた頃だね。

Sydney:
そうそう、野生個体が入ってきてた時代。
で、それを読んでいくと、同居飼育についてのいわゆる体験談みたいなのがたくさん出てきて。

オスがオスを追い回すって人もいれば、
「全然問題ない」って人もいて、本当に半々なんだよ。

だから、正解を絞り込むのがかなり難しい。

Tamura Designs のDale とも話したんだけど、彼は一時期、オスを3匹一緒に飼ってたらしい。
で、問題なかったって言ってるんだ。

Jack:
実はわいも Dale とは話したことあって、スジヘラオヤモリでも同じことやってたと思う。
断言はしないけど。

Sydney:
ただ、ある夜、飼育部屋に入ったら、お互いに鳴き声を出し合ってて。

鼻先のあたりにちょっと怪しい引っかき傷みたいなのがあったんだよね。
だから、結局のところ、個体差なのかもしれない。

面白いのは、ヘラオヤモリって明らかに攻撃的な種ではないんだよね。

だから、すぐに「やばいぞ」
って分かるようなサインを出してくれるわけでもない。

一番ビビるのが、トゲヘラオヤモリを手に乗せると、体を硬直させることがあるんだよ。

なんか、完全に発作起こしてるみたいに。

たぶん、落下してる感覚に近いんじゃないかと思ってて、
逃避反応とか、捕食者回避の反応なんじゃないかな。

Jack:
あれがさ、もし飛ぶヤモリだったらって想像したことある?
動き的に、完全にそんな感じじゃない?

どこかで読んだんだけど、ああいう動きをする理由って、
落下中に葉っぱの間を落ちていく時に表面積を大きく見せるため、みたいな話だったと思う。

でもさ、「今わいの手の中にいるんだけど?なんで落下してんの?」
ってなるよね。

スジヘラオヤモリの話

Sydney:
たぶん、とにかく逃げようとしてるだけで、後ろとか一切見てないんだと思う。
スジヘラオヤモリも似たようなことするよ。

急に体をピンって伸ばして、後ろ脚2本だけでぶら下がる。
わいはそれを「ペンシルモード」って呼んでるんだけど。

ジャンプして、一瞬でペンシルモードになって、
後ろ脚で最初につかめたものをガッと掴んで、そのままぶらーんって揺れる。

あれ、ほんとに変な動き。

Jack:
君の スジヘラオヤモリの動画もいくつか見たけど、
あいつらほとんど陰キャっぽい雰囲気だよね。

Sydney:
だから、スジヘラオヤモリの個体ごとの写真を撮るのは完全に諦めてる。

夜中に撮ったクソみたいなスマホ写真が精一杯。
それ以上は無理。
写真撮るためにケージの外に出した時に、尻尾を落としたことが何回かあるんだよ。

だから撮影は無理だと思ってる。

Jack:
尻尾って再生するんだよね?

Sydney:
するよ。
でも、見た目はちょっと丸くなる。

元々の スジヘラオヤモリの尻尾って、本当にかっこいいから。
だからこそ、ちゃんと尻尾がある状態で見てもらいたい。

写真撮るためにリスク取るくらいなら、撮影しない方が良い。

Jack:
分かる。わいもスジヘラオヤモリ欲しい。
でも今はスペースがない。

スジヘラオヤモリって夜の活動量がめちゃ多いじゃん。
位置を変えたり、歩き回ったり。

Sydney:
ヘラオヤモリの中には、しばらく同じ場所にとどまって、
止まり木みたいにじっとしてる個体もいるけど。

スジヘラオヤモリは、本当にずっと歩いてる。

だからもし方法が分かれば、やってみたいことがあるんだ。

もっとスペースを確保できたら、
スジヘラオヤモリをグロウテントみたいな環境で飼ってみたいんだ

グロウテントに何匹か入れて、
グランティスヒルヤモリ とか一緒にしてもいいかも。

まあ、今はまだ方法がわからないからできないけど。

Jack:
それはまた別の日の話だね。

ああいう種って、大きなケージとか、いろいろ考えることがあるよね。

Frank Payneがめちゃくちゃ大きいバイオアクティブ環境を作ってて。
そこにエベナビアゲッコーとマダガスカルキンイロガエル を一緒に入れてて。
あれは本当にすごかった。

わいはさ、自然の一部を切り取ったみたいな見せ方がすごく好きなんだよね。
いろんな大陸の生き物をごちゃ混ぜにするのは、正直、あんまり好みじゃない。
それはちょっと冷めちゃう。

でも、特定の環境とか、自然の中のあるニッチを再現しようとしてるなら、
それはすごく評価できる。

Sydney:
わいも、一部の種で、似たようなことをやってるけど、全部うまく回ってるよ。

温度について

Jack:
話を戻すね。
君のところでやってるエダハヘラオヤモリの温度について、
部屋全体のターゲット温度を教えてもらってもいい?

Sydney:
もちろん。

正直言うと、季節によって結構変わるよ。
カナダは冬がめちゃくちゃ寒いから。

たぶんアメリカ人の99%は14度って寒さを体験したことないよね?

Jack:
14度なんてクソ寒いじゃん。

Sydney:
それが、カナダの平均的な冬だからね。
だから、冬はだいたい室温が18℃くらいまで下がる。

部屋全体の理想としては、20〜24℃くらいだね。

上限はだいたいその辺に設定してる。

他の種だったらもっと高くても耐えられると思うけど、
温度はエダハヘラオヤモリ基準で決めてるんだ。

温度が上がりすぎたら真っ先にエダハが死ぬからね。

24度くらいで、今まで問題出たことないし、
「まあ、これでいいか」って感じ。

夏になるとちょっと暑くなることもあるよ。

そういう時はファンを回して、特に夜は湿度を少し上げるようにしてる。

Jack:
それは面白いね。

わいもテントの目標温度はそれくらい。
エアコンを23度で作動するように設定してる

少なくともアメリカの飼育者たちからは、
22度後半以上になるとエダハの様子がおかしくなるって話をよく聞くよ。

でも、もっと高い温度で見つかってるって話も聞いたことあるし…

Sydney:
そう。
だから、温度そのものが不調の原因とは思えなくて。

一番の問題は、急激な変化だと思う。

例えばさ、ゆっくり24度まで上げていく分には問題ないと思う。

24度を狙ってるとは言ったけど、
実際にはわいの部屋って22-23度の方が多いんだよね。

ニューカレドニア系を飼ってた時も、だいたい22度を目標にしてた。

文献を読んだり、人に聞いたりして、その辺が一番しっくりきたんだ。
それで、暑さが原因でエダハヘラオヤモリを落としたことは一度もない。

少なくとも、熱中症っぽい死に方は見たことない。
だから、温度設定自体が間違ってるとは思ってない。

夏は少し上がるし、
冬はそのくらいか、場合によっては21度くらいまで下がることもある。

でも、冷やしてる時期だし、エダハヘラオヤモリもそれを嫌がらない。

実際、数ヶ月前にちょっと遊びで気象データを見てたんだけど。

マダガスカルって、場所によっては7度くらいまで下がることがあるんだよ。

それ見て、「あ、じゃあ寒さは全然耐えるわ」ってなった。

爬虫類系の本を読んでた時に
種ごとの温度データをパラパラ見てたら、
ヤマビタイヘラオヤモリのページに「12度」とか書いてあったんだよ。

マジかよって思った。

推奨のクーリング温度が10度台とかで。
「いや、そこまで耐えるとは思ってなかったわ」って。

実際、想像してたよりずっと耐寒性がある。

個人的には、ヘラオヤモリ の中で一番タフなのは
間違いなくヤマビタイヘラオヤモリ
だね。

だから、初心者にはヤマビタイヘラオヤモリをおすすめしてる。

ヤマビタイヘラオヤモリの飼育について

Jack:
もう少しヤマビタイヘラオヤモリの飼育について深掘りしていいかな。

ケージデザインとか、何を重視してるかとか、
その辺を教えてもらっていい?

Sydney:
繰り返しになるけど
ヤマビタイヘラオヤモリは 45×60 のエキゾテラで飼ってるよ。
排水層はだいたい 2.5-3.8㎝くらい。

その上に、だいたい7-10センチくらいまで土を入れてる。
通気口の下あたりまで。

土はABG ミックスを自分で作ることもあるし、Reptisoil を使うこともある。
Reptisoil は好きなんだけど、使ってるうちに、だんだん固くなってくるから、
通気性のためにコケとか、樹皮とか、いろいろ混ぜてる。

枝については、最初の頃は、オークを使ってて、枝を横向きに置いたりしてたんだけど、
ヤマビタイヘラオヤモリ用は全部バーチ(白樺)に切り替えた。

理由は、ゴツゴツした荒い表面より、滑らかな質感の方が明らかに落ち着いてるから。

1つのケージにバーチ(白樺)の枝を4〜6本くらい入れて、
スクリーントップに直接ネジ止めしてるよ。
あとは、そのまま土にグッと差し込む。

そうしておくと、フタを外す必要がある時、クソ重いガラスケージを持ち上げなくて済む。

全体的にはかなり楽なレイアウトだよ。

植物は密度のあるワサっとしたものを入れてる。

特に好きなのが、ニューカレドニア原産のアラレア(ディジゴセカ)
見た目もいいし、よく育つし
ケージに入れた時の雰囲気がすごく好き。

唯一の欠点は、ほっとくと1.5m級の木になることだね。
ひたすら剪定し続けてるよ。

「どの植物が定番か」って話をするの、楽しいんだよね。
みんなそれぞれ自分に合ってるものが違う感じが面白い。

他にはディフェンバキアもよく使ってるよ。
いわゆるダムケーンね。

植物の毒性についてはいろいろ言われてるけど、
正直、「食べても完全に安全」って植物はほぼないと思ってる。

大半の植物って、なにかしらの毒性はあるでしょ。

いわゆる「セーフリスト」を見ても、
中には「いや、それも食べたら良くはないよね」って思うものもあるし。

でも、ディフェンバキアに関しては、今まで一切問題は起きてない。
食べたら良くないのは分かってるけど、トラブルは一度もないよ。

フィカスも確か同じだったと思う。

Jack:
そうそう、樹液に毒があるんだよね。

繁殖について

Jack:
じゃあ、ヤマビタイヘラオヤモリの話から、繁殖の話に移ろう。
ざっくりでいいから、サイクルとか、その辺を教えてよ。

Sydney:
こっちは冬があるから、結構やりやすいよ。
冬が始まるタイミングで、個体を分ける感じ。

だいたい10月〜11月くらいの気温が下がり始めた頃に分けて、
そこから春までそのままにする。
期間はだいたい5か月くらい。

それくらいが、しっかり休ませるのにちょうどいいと思う。

中にはクーリング中なのに、ずっと産卵し続ける個体もいるけど(笑)
今も飼ってる1匹のメスがそんな感じだった。

今年生まれたベビーは、全部あの個体からなんだよ。
今年はだいぶ落ち着いたけど、とにかくずっと産み続けてた。

5月にペアリングして、6月末にはオスを分けたのに、
10月までずっと産卵してた。

Jack:
それ、わいも似たような経験あるわ。

でも逆のケースもあって、
いくつかのペアでは、「もしかしてペアリング遅すぎた?」って思ったこともある。

前に相方とライブ配信で話した時も、そんな話になったよ。
オスの方が、思ってるより早く“弾切れ”を起こしてるんじゃないか、みたいな。

温度が上がってからどれくらいでペアリングしてる?

Sydney:
だいたい2〜4週間くらいかな。
その時の感覚にもよるけど。

基本的に、クーリング中は体重落とさないんだけど、たまにちょっと減る個体もいる
だから、体調、特にボディコンディションを見て判断してるよ。

特にメス。産卵に入るならなおさら注意する。

今のペアだと、一緒にしてからちょうど4週間で最初のクラッチが来る。
だから、ちゃんと状態が良さそうか、水分も足りてるかはかなりよく見る。

ちなみに、そのメスは野生個体だよ。
わいにとって最初のワイルド由来のメス。

でも、とにかくデカいんだ。
個人的に見た中で、一番大きいヤマビタイヘラオヤモリ。

わい、手も結構大きい方なんだけど、わいの指先から手首まで来るくらいでかいんだ。

Jack:
マジかよ、でかすぎだろ。

Sydney:
ペアリングした後も、ずっと一緒にはしておかないんだ。

特にそのずっと産み続けるメスに関してはね。
だって、一緒にしておかなくても、6か月くらいずっと産み続けるし。

余計なストレスとか、ケージ内での餌の競争を増やさない方がいいし。

Jack:
分けることでメリットもあるよね。

例えば、オスがカルシウムまみれのコオロギを食べなくて済む
精嚢を作ってる時とかは特に、食事のリセットが必要になる気がする

Sydney:
すげえわかる。

特にオスにとってはかなり重要だと思う。
メスほどカルシウムは必要ないよね。

Jack:
そうそう。

UVB の話だけど、Sydneyも使ってるみたいだね。

ライト~撮影の話

Sydney:
うん。前はArcadiaを使ってたよ。

でも、今は新しいエキゾテラ。
エキゾテラ設計した本人と話す機会があってさ、
本人だから当然推してくるんだけど、
話してて単なるマーケティングの作り話には感じなかった。

ちゃんと研究データも持ってたしね。

それで試してみることにしたんだけど、今のところかなり満足してる。

今は6%のやつを使ってるよ。
前はArcadia の7%を使ってたけど
個体が近づきすぎると、ちょっと強すぎるな、って感じることがあったんだ。

Arcadia は、シェードドウェラーとか、1.2m用の選択肢がないんだよね。
そっちにはあるのかは分からないけど。

えっと、Zoomed 使ってる?

Jack:
いや、使ってない。

でも、新しい Exo Terra の電球の話は聞いたよ。
UVA スペクトルが改善されたんだよね。

Sydney:
そうそう。
それはかなりいい方向だと思う。

最近はどのメーカーもそっちに向かってる感じする。
エキゾテラのライトって動物にとって見やすい可視光スペクトルがいいのはもちろんだけど、
写真撮るときにも良い気がする。

だいたい、ケージの中のライトの下でそのまま撮ってるわいでも、良い感じに撮れる。
背景はそもそもいい感じだし(笑)

Jack:
なるほど。

写真はライトボックスとか使わないで、基本ケージ内でそのまま撮ってるってこと?

Sydney:
うん、だいたいそうだよ。

一応、ライトボックスも持ってはいるけど、
ちゃんとした背景を作ってから使おうと思ってる。

まあ、そのうち使うと思う。

Jack:
カメラはスマホ?

Sydney:
iPhoneだよ。

Jack:
マジで?いつもすごく素敵に見えるし、色もかなりいい感じだよね。

他の人のだとたまに「ちょっと色ズレてるな」って思うことがあるんだけど、
君のはいつもすごくきれいに撮れてるよね。

Sydney:
あんまり編集はしてないよ。
UVBは反射するから、たまに明るさを少し下げるくらい。

でも、それ以外は何もいじってない。

Jack:
Coolだね。わいもUVライト試してみるわ。

わいの場合、ケージ全部を背景に入れようとしてるから、
スマホが「どこにピント合わせればいいの?」って迷ってる感じがするんだよね(笑)

十分に明るくできないしさ。

だから色の出方があんなに良い写真を撮れてるのは、かなり参考になる。
ほんと難しいんだよ。

Sydney:
写真を投稿するたびに
「くそ、実物はもっとすごいのに」ってなるんだよ。

もちろん写真が実物を完全に再現することはないって分かってるけど、
できるだけ近づけたいんだよね。

特にさ、わいのオレンジ色が強いオスとかだと、
「頼むからそこにピント合ってくれ」ってなるよ。

Jack:
うん。
ブロッチをきれいに撮るのはは本当に難しい。
スマホだと特に色が出にくいし。
でも、正直UVがキーだと思う。

UVライトの下で見た時と、ライトがない時で全然見え方が違う。
UVが本当に色を引き出してくれる。

Sydney:
そうだよね。

前に送ったあの変な黄緑っぽいメス、覚えてる?
あれ見た瞬間「よし、撮影タイムだ」って思ったんだけど、
「頼むからカメラに写ってくれよ…」って本気で祈ったわ。

Jack:
あれは本当にヤバい個体だよね。

君が「なんでこんなに緑っぽい個体ばっかり孵化するんだろう?」って言ってて。
「メスは黄色系なのに…」みたいな話をよくしてたよね。

ああいう黄色が出た初めてのベビーだったの?

Sydney:
うん、あれが初めてだよ。

全体的にちょっと緑がかった個体はこれまでも確かにいたけど、
でもあそこまでのはなかった。

だいたいそのペアから出た子の85%くらいはホワイトカラー
5%くらいがオレンジ系と濃いグリーンの個体

残りはもう本当にランダムで、迷彩柄っぽかったり、緑の斑点が部分的に出てたり。
文句はないけどね。

で、あの個体が孵化したとき、最初は黄色は出てなかったんだけど、
体全体に緑の斑点がびっしり入ってるのが見えたんだよ。

その時点で「これは良くなるな」って分かった。

で、「お前は確保確定だ」
って思ってそのまま確保ラック行き。

Jack:
あー、なるほどね。

確保個体を増やすのにちょうどいいタイミングかもね。
学校の方も少し落ち着いてきて、またリズムが戻ってくる頃でしょ?

別にすぐ繁殖させなくてもいいし。
できるようになるまでとりあえず飼っておくだけでいいじゃん。

Sydney:
そうだね。

とりあえず育てて、そのあと他のメスと一緒にすればいいね。
ここ数年は、苔むした柄のベビーを同じケージで飼ってるよ。

ベビーの飼育~複数飼育について

Jack:
じゃあ、ベビーについて少し聞いていい?
正直、わいはあれあんまりうまくいってないんよ。

もちろん、やり方自体がダメだとは思ってないけど、
明らかにうまくいってるSydneyのやり方教えてほしい。

ベビーの飼育環境ってどんな感じにしてるの?

Sydney:
基本的には成体とそこまで変わらないよ。

大人と同じように縦方向に枝を置いてる。
他には結構大きめの植物が一本あるよ。

植物はもうケージの天井まで伸びてるね。
下には小さなシダ植物があって、
あとは枝とか小枝を全体に散らしてるだけ。

そこにベビーが5匹入ってるよ。

Jack:
オスとメス一緒に?

Sydney:
うん、オスとメスは一緒にしてるよ。

今はメスが多めだけど、オスも2匹くらいはいると思う。

2シーズン目なんだけど、
この2シーズンで尻尾を落とした個体は一匹もいないし、

指を失った個体もいないよ

Jack:
それはすごいな。

わいのケージでは、尻尾の噛み跡をよく見たよ。
直接、個体同士が攻撃してるところは一度も見たことないんだけど…
たぶんエサ絡みなんだろうなって思ってる。

尻尾にちょっと黒っぽいリング状の跡ができてるのを見ることがあって。

それに気づき始めたのが、たしか
クーリング中に複数個体を一緒に入れ始めた頃だった。

その時から「あ、なんかおかしいな」って感じ始めた。

威嚇姿勢とか明確な攻撃行動は本当に一度も見たことないから、
エサが原因だろうと思ってるんだよ。

Sydney:
うん、わいも攻撃行動は見たことないね。

たぶんだけど、一匹がどこかに止まってて、もう一匹がコオロギに飛びついたときに、
尻尾を掴んじゃうか、コオロギごと尻尾を掴むみたいな感じなんだと思う。

わい的には、
ヘラオヤモリのほとんどの種は、本質的に攻撃的じゃないと思うんだよね。
もちろん、オス同士とか例外はあるけど。

でもわいは、エダハヘラオヤモリもトゲヘラオヤモリも複数で飼ってるし、
最初の1週間くらいはずっと緊張して四六時中見張ってたけど、
それを過ぎたら「うん、大丈夫だな」ってなったよ。

Jack:
あともう一つ、複数飼育で気になったことがあって。

これ、前に話したかもしれないけど、
実は一匹痛風を経験した個体がいるんだ。

わいの仮説なんだけど、
その個体は他より食い意地が張ってたんじゃないかと思ってる。

他より多くエサを食べて、
結果的にサプリメントも多く摂りすぎたんじゃないか、と。

何が直接原因だったかは正直わからない。
タンパク質のとり過ぎなのか、ビタミン過多なのか。

でもある日、そのメスの関節が明らかに腫れてるのに気づいたんよ。

また仮説になるけど、
例えば、3匹飼ってるケージにコオロギを入れて、
そのほとんどを1匹が食べてたら、それが原因になってもおかしくないよね。

まあ、確証はないけど。

Sydney:
うん、一理あるね。

だからわいは、ケージ内がかなり密になるように植栽してる。
そうすれば、みんなが平等にエサを取れるチャンスを持てるようになるから。

わい自身はその手のトラブルは経験してないけど、
でも、もし一匹が他より優位だったら、そういうことは全然起こり得ると思う。

それって、2匹で飼ってて起こったの?
それとも、もっとたくさん飼ってた?

Jack:
たしか1歳の個体を3匹同じゲージで飼ってた時だと思う。
オス1匹、メス2匹だよ

恥ずかしい話なんだけど、結果的に最悪な状態になった。

まず、さっき話したメスが痛風の症状を出した。
関節が腫れて、歩き方もおかしくなって。

で、残りの2匹が1歳で繁殖しちゃったんだよ。

マジでビビった。

「これは教訓に使用」って思って、
それ以降は必ずオスとメスを分けて管理するって決めた。

あの時、本当に信じられないくらい個体が小さかったんだよ。

わいそのメスを見て「なんでこのメスだけカルシウムサックがないん?」て思ってた。
他の個体はみんなカルシウムサックができてるのに。

それでなんとなく葉っぱをひっくり返したら…
そこに卵があった…

Sydney:
実はわいは、ベビーの混合飼育をある程度のサイズまでって決めてやってる。
要するに、卵を持てるサイズになる前までだよ。

だってさ、野生下じゃ彼らは卵を産むことが可能になった瞬間に産むんだよ。
それは彼らの生存戦略として理にかなってる。

つまりできるだけ早く次世代を残すこと。

Jack:
うん。そうやって個体数を維持してるんだよね。

ヤマビタイヘラオヤモリのクーリングについて

Jack:
エダハヘラオヤモリの話題に移る前に、
ヤマビタイヘラオヤモリについて他に何か重要なコツある?

Sydney:
さっきも話したけど、かなり低温までクーリングしていいってところかな。

わいの経験上だけど、中途半端な低温だと産卵が止まらず産み続けちゃう
だから止めたいなら、できるだけ低く冷やす必要がある

特にワイルド個体はね。
今は昔ほどWCは多くないけど、残念ながらカナダでは今もWCが主流だ。

正直、わいはそれをあまり良いとは思ってない。

特に、イベントで150ドルくらいで“安価なペット”みたいに売られてるのを見ると
かなり思うところがある。

今わいが持ってるWC個体については、できる限り自然に近い環境になるようにしてる。

マダガスカルはカナダとは季節が逆だけど、
それでも気温の下降幅はできるだけ再現するようにしてる。

それが自然なリズムを保つためにも大事だと思うし、
飼育下の個体にとってもプラスだと思う。

だって彼らには生きやすい気候があるはずだからね。

結局、一番大事なのはしっかり冷やすこと。
そして、絶対に加熱しすぎないこと。

あー、思い出したわ。
実は去年、とあるイベントでそれに関係する出来事があってさ…
マジでブチギレたんだよ。

わい、イベントである客にヤマビタイヘラオヤモリを売ったんだけどさ、
そいつ、わいが売った個体を真夏8月の昼間に車に置いて、また会場に戻ってきたんだよ。

Jack:
……マジかよ。最悪じゃん。

Sydney:
で、少ししたらそいつが慌ててわいのところに走ってきて、
「さっき買ったヤマビタイが口を開けたままで、息が荒い」って言うわけ。

わいは「ふざけんなッ」って思ったよ。

幸い、なんとか持ち直してくれたけどさ。
でもわいはそいつに「どういうつもりだよ!」って言った。

そしたらそいつも
「分かってます、自分が悪かったです」って。

わいは「そうだな、生き延びてくれたのは本当にラッキーだったな」って言ったよ。
正直、もし死んでたら、わいはマジギレしてたと思う。

こういうことが起こらないように売る相手は必ず選別してるのに。

すでにブリーダーだって分かってる人なら別だけど、
知らない名前の人からメッセージが来たら、必ずこう聞くんよ。

「この設備は持ってる?」
「これは準備できてる?」
「これはおすすめだよ」って。

だからさ、一番最初に言ったのが
“絶対に暑すぎるところに置くな”
だったんだよ。

それなのにこれだよ。

Jack:
実は、わいの友達も最近イベントでまったく同じことが起きたんだよ。

しかも、一箱丸ごとダメになった

Sydney:
もう……言葉にならんわ。

Jack:
ほんまやで。

だから、この辺のイベントでは最近は
「絶対に動物を車に残すな」ってデカい注意書きが至る所にあるんだ。

特にさ、Sydneyみたいに厳選した少数しか繁殖してないブリーダーだと、
一匹一匹の価値が全然違うじゃん。

購入者とすごく近い距離で関われるっていう利点もあるけど。

Sydney:
わいも意識してるよ。

カナダじゃヘラオヤモリを飼ってる人は本当に少ないから、
誰に売ったかは全員覚えてる

たとえ普段やり取りしてなくても、
メッセージが来たら自分が売った人だってことは分かる。

だから必ず
何かあったらすぐ連絡してくれ」って言うんだよ。

間違ったことをしてるなら、わいが直接間違ってるって伝えるし。
個体が死んでから気づくより、絶対その方がいいから。

Jack:
ほんとそれ。

定期的な確認ってめちゃくちゃ大事だよね。

エダハヘラオヤモリの飼育環境~ペアリングのタイミング

Jack:
じゃあお待ちかねのエダハヘラオヤモリに移ろうか。
正直言うと、わいにとっては 完全に未知の領域だよ。

まずは
エダハヘラオヤモリの基本的な飼育環境を教えてよ。

Sydney:
基本はヤマビタイと同じだよ。
ケージはガラスケージを使ってる。

PVCに変えるっていうのもちょっと考えたことはあるけど、

かなりお金がかかるし、
今やってる方法で ちゃんと回ってるから、このままでいいと思ってるよ。

学校が終わるまでは引っ越しの予定もないし。

・ケージサイズは 30*30*45
・排水層をだいたい2.5㎝
・その上に土
・各ケージに でかいフィカスが1本
それだけだよ。

めちゃくちゃシンプル

床には落ち葉をたっぷり敷いてるけど、
基本はそれだけ。

Jack:
ケージは全部フルスクリーントップ

Sydney:
うん、全部フルスクリーントップ

あ、じゃあここで Zoo Med をちょっと褒めとくわ
あの シリコン製のフタ(カバー)、結構好きなんだよね。

カナダは冬になると、湿度がほぼなくなるから、冬場は、ときどきあれを使ってるよ
冬は状況に応じて上の半分を覆ったり、霧吹きの量を増やしたりしてる。

かといってびちゃびちゃにしたくはない
だから、そのバランスを取ってる感じ。

Jack:
うん、分かる。

ちなみに、ヤマビタイもエダハも同じ部屋で飼ってるの?

繁殖とかクーリングのサイクルもほぼ同じ周期

Sydney:
だね、同じ部屋で飼ってるよ。

わいは基本的にヘラオヤモリは全部同じサイクルで回してる

冬の入り、だいたい 10月〜11月にペアを分けて、
そこから4月〜5月くらいまでそのまま。

「ペアリングのタイミング」の話だけど、
5月に組む方が結果がいいと思う。

4月じゃ早いし、
5月末〜6月に入ってからだとちょっと遅い気がする。

Jack:
それ、面白いね。
一番聞きたかったのがそれなんよ。

わいは、
「ちゃんと仕上がったあと、もう1〜2か月待ってからペアにしよう」
って考えてたことがあるんよ。

ヤマビタイヘラオヤモリでも、ペアリングのタイミング気になってて
ヘンケリーでも、トゲヘラオヤモリでもそうなんだけど。

でもその結果、メスは卵は産むけど全部無精卵
オス側に問題があったのかわからないけど、

6月にペアリングした時それが起きて、なんでだろうって思った。

Sydney:
ああ、分かる。

今年エダハヘラオヤモリの1つのペアでもそれがあったよ。

もう、めちゃくちゃ綺麗なメスでさ。オレンジのブロッチが出てるやつ。

わいは「お願い、1クラッチで良いから卵ちょうだい……」
って思ってたんだけど、ペアリングしてる間、ずっと無精卵

だから、オスが何もしてないのか
それともメスが受け入れてないのかもう分からなくてさ。

Jack:
うん、それは興味深いね。

改めて聞くけど、エダハヘラオヤモリは何ペアいるんだっけ?
4ペアだっけ?

Sydney:
そうだよ、4ペア

場所を取るわけじゃないし、
できれば来年、もう1ペア増やしたいと思ってる。

「手がかからない」とは言わないけど、
体長は最大でも10㎝くらい
めちゃくちゃデカくても13㎝くらいだしね。

Jack:
今どんな感じでやってるの?

ほら、わいに「黒いやつがハッチした!」ってめっちゃ興奮して
ってメッセージくれたじゃん。

Sydney:
wwwwあんときはごめん。
めっちゃ興奮してたんよ。

あの個体、正直めちゃくちゃ期待してた。

でもさ、あれがハッチして数週間で調子崩した個体だったんだよ。
マジで落ち込んだ。

しかも去年に失った唯一の個体がその子
立ち直れないかと思ったよ。

Jack:
ああ……
それはキツいな。

Sydney:
結果的に一番うまくいってるのは、ハイグリーン系だと思う。

でかい緑の地衣類みたいなブロッチがゴロッと入ってるオスが何匹かいて。
わいはあの見た目が一番好きかも。

繁殖したい系統について

Jack:
あのパキッとした鮮やかなグリーン
めっちゃかっこいいよね。

Sydney:
オレンジブロッチも欲しい。
オレンジブロッチのメスは持ってるんだけど

オレンジブロッチのオスをカナダ国内で探すのはほぼ不可能

現状、カナダで エダハヘラオヤモリをちゃんとやってるのって
3人か4人
しかいないと思う。

しかも、わいが欲しい方向性をやってる人がいない

もちろん、他の人たちもちゃんとしたブリーダーだし、悪い意味じゃないよ。
ただ、プロジェクトの方向が違うんだよね。

わいはあのオレンジ系を固めたグループをやりたいんだけど、それを持ってる人がカナダにいない

為替がさらに追い打ちかけてくるんだよ。
米ドルからカナダドルの換算がマジで地獄。

わいがアメリカに送ると、そっちはめちゃくちゃ割安になるのに、
逆にアメリカからカナダに送ってもらったら、体感で30%多く請求されてる感じ

Jack:
wwwww
分かる(笑)。

まとめると、君が繁殖したいのは

  • グリーンブロッチ
  • オレンジブロッチ

この辺がメイン?

Sydney:
そうそう。

でも、そういうペアを組むと、
その間の表現型も全部出てくるんだよね。

それがヘラオヤモリの一番好きなところ

どんなに狙ってペアリングしても、100%狙い通りにはならない
代わりにランダムで出てくるCoolなやつをゲットできる。

Jack:
分かるなあ。

正直、クレステッドゲッコーのブリードから
ちょっと気持ちが離れた理由もそこなんだよね。

モルフがあまりにも予測可能になった。
それはそれでいい面もあるけど、ハッチのワクワク感は減った気がする。

ハッチの瞬間で一番楽しいのは完全にランダムなものが生まれた時だと思う。

最高だったのは、めちゃくちゃ普通な見た目のヤマビタイのオスとメスから
きれいな白×緑のベビーが生まれた時だよ。

ああいう瞬間って、正直、ヘラオヤモリ以外ではなかなか味わえないよね

Sydney:
いや、ほんとそれ。

100%計画できないんだよね。
わいもさ、ホワイトカラーは出ると思ってた
でもオレンジやグリーンが出るとは思ってなかった

文句のつけようがないよね。

さっきも言ったけど、この前君に送ったベビーたち、
あれ全部1つのペアからなんだよ

それなのにさ、あのバリエーション

もう最高じゃない?

Jack:
ほんとそれ。
誰も同じペアからだとは思わないよね。

普通なら「同じペアならだいたい似た感じになるでしょ」って思うじゃん?
でも全然違う。

一匹一匹、全部めちゃくちゃ個性的で、見た目も全然違う。

よく見るとさ、「この2匹はちょっと似てるな」みたいなのはある。
でも次の3匹目を見ると、まったく別物

エダハヘラオヤモリとか
ヤマビタイヘラオヤモリ
あるいはヤマビタイヘラオヤモリ系の種って、

そういう意味でめっちゃ面白いよね

Sydney:
わかる。

なのにヤマビタイヘラオヤモリって
めっちゃ過小評価されてる
よね。

エダハヘラオヤモリの方が圧倒的に人気が高い

「角がどう」とか
「尾がどう」とか。

他にもいろいろ

ヤマビタイヘラオヤモリの良さを見落としてるよ

わいは、最初の1種として
いつもヤマビタイヘラオヤモリを勧めてる

理由はちょっとだけエダハヘラオヤモリより育てやすい、ってのもあるけど、
それ以上に、全然違う面白さがあるんだよね。

ヤマビタイヘラオヤモリは完全に“樹皮擬態”
葉っぱじゃなくて、木そのものになる生き物

もう本当に最高なんだよ。
あごヒゲとかも可愛いしね。

Jack:
それに 餌やりがめちゃくちゃ簡単だよね
これ、たぶん ヤマビタイヘラオヤモリを初めて飼う人が
最初に「いけるかも」って実感する瞬間
だと思う。

トングで餌やろうとすると、いきなり飛びかかってくるでしょ。
その瞬間に
「よし、これはもう餌で困ることはないな」ってなる。

Sydney:
それに比べると、エダハヘラオヤモリはずっとシャイだよね。

Jack:
そうそう。

わいのエベノーはいつも外に出てるんだよ。
ライトの下にいたり。

だから気になってたんだけど、
君のところのエダハってどう?

行動の違いとしてさ、日中でも割と見える?

それともかなり隠れる?

Sydney:
うちのはね、日中はまず見えない
探そうと思えば見つかるけど、本気で探さないと無理

大体はフィカスの木の真ん中で丸まってて、尻尾を目の上に乗せてる
だから、目の色の明るさとかもほとんど見えない

もしくは、バックボードにぴったり張り付いてる
うちはスプレーフォームで自作背景を作ってるから、そこに。

あるいはコウモリみたいに枝につまさきでぶら下がってる

エダハって「枯れ葉であること」に忠実なんだよね。
どんな状況でも、一番“そこに居て違和感がない場所”を必ず見つけようとする。

Jack:
うん、分かる。

逆にエベノーヘラオヤモリについて面白いなって思うのは

完全に枯れ葉に紛れるのも平気だけど、
同時にライトの下に堂々と陣取って、
「きれいやろ?わいを見て?」って感じで見せつけることもある
んだよね。

あれ、ほんと不思議。

他の飼育者とも話したことあるけど、同じ体験してる人、結構いるよ

エダハヘラオヤモリが地面にいたら危険信号?

Sydney:
よく「エダハが地面の落ち葉の中にいることある?」って聞かれるんだけど
わいはいつもこう答える。

「もし地面にいたら、それは
卵があるか、何か問題が起きてるかのどっちかだ」って。

エダハヘラオヤモリが地面にじっとしてたらビビる。

まあ、長時間地面にるのは、どのヘラオヤモリでも何か起こっていると思う
産卵以外では。

地面にいるのに産卵もしてない、ただ落ちてしまっただけでもないなら
「あ、やばい」ってなるね。

わいの経験だとね、
産卵してないメスが地面にいると、その後2-3日で良くない結果になることが多い

Jack:
エベノーヘラオヤモリの場合はちょっと違ってて、
枯れ葉の中に丸まってる個体は普通に見る

特に落ち葉層をかなり厚くしてると
その中にぎゅうぎゅうに入り込んでることもあるよ。

でも、地面の上に丸見えでじっとしてる状態だったら、
それはやっぱりトラブルのサインだと思う。

前にスベヒタイヘラオヤモリのケージで卵を見つけたとき
マジでめちゃくちゃテンション上がってたんだよ。

でも、ふと横を見たら、
スベヒタイヘラオヤモリ地面にベターって転がってて
なんかもう船酔いした人みたいな感じでゴロっとしてたの。

「卵は嬉しいけど、同時に何が起きてるのか把握しなきゃダメやな」ってなって。

正直、理由は分からない。ただそこにいただけなんだよね。
今は元気でピンピンしてるけど、でもあれはマジでビビった。

Sydney:
そのスベヒタイの卵からハッチしたのを見たとき
「うわ、すげぇ…」ってなったよ。

Jack:
あの子たちが孵化したの見た瞬間、
わいもうクソほどテンション上がってた

模様の密度が異常で、めっちゃかっこいい個体だったし。
あの子は一生手放さない

たださ、難しいのが、
成体になったときの参考写真が全然見つからないんだよね。

将来どんな見た目になるのか、正直よく分からない。

エダハヘラオヤモリのモルフについて

Jack:
エダハヘラオヤモリについてなんだけど、
他に気になってる色とかある?

Sydney:
個人的には、
茶色のベースに、白い葉脈みたいなラインが入ってるやつが好き。
たしか Shannon が持ってたよね。

それと、Evette!

正直、アメリカで一番ヤバいコレクション持ってると思ってる。

Evetteと Shannon、
どっちも脈模様がバチバチに出てる個体持っててさ。

それ見て「こんなん最高すぎるやろ」って思った。

Jack:
じゃあ次の エダハヘラオヤモリの目標は、
学校が終わって金欠じゃなくなったら
その辺の“激ヤバ葉脈模様の個体”探しって感じだね。

エダハヘラオヤモリの手元に残す個体の話、聞いても良い?

卵から孵った段階で、「これは残すな」みたいなのって分かる?
結構すぐ判断できる感じ?

Sydney:
うん、だいたいかなり早い段階で分かるよ。

特にメスは分かりやすくて、オレンジのブロッチが出てたら残す

オスに関しては、最初からガチガチに決めるというより、
成長を見ながら考えるって感じかな。

わいが特に好きなのは、ちょっと変なテールパターンとか、
尻尾の切れ込みが強いやつ。

エダハヘラオヤモリのオスの魅力って、
あの目元の涙型のシルエットももちろんいいんだけど、
尻尾だと思ってて

だって、同じ形の尻尾って、絶対に存在しないんだよ。

誰かがこの前投稿してた個体でさ、
もう切れ込みだらけみたいなやつがいて。

見た瞬間「うわ…これはヤバい」ってなった。

だから基本は、
そういう尾の個性、切れ込みの出方を見て選ぶかな。

あとはグリーンの被覆率

ただね、エダハヘラオヤモリって
孵化時の見た目=最終形じゃないんだよね。

成長するにつれて、色が「鈍くなる」って言うとちょっと違うんだけど、
特定の特徴が消えることはある

例えばフロスティング(白っぽい粉吹き感)

これ、9割くらいの個体は孵化時に持ってるんだけど
結構な割合で成長とともに消えていく

だから結局、手元に残す個体は
感覚と経験で判断していくしかない部分が大きい。

今のところわいは、色とか尾の感じとか全体を見ながら
「これは残すかも」って直感を信じてる感じかな。

「これ、父親より良くなりそうだな」って思えたら、
その時点でまあまあこれは成功だなって思う。

Jack:
結局さ、親個体っていう基準点があるから、
そこから「この子はこの辺行きそうだな」ってある程度は予測できるんだよね。

Sydney:
そうだね。

だからわい自身は、そこまでプロジェクトを広げすぎてはいないかな。

Jack:
MorphMarket 見てると毎回モヤっとすることがあってさ、
例えば「フロステッドエベノーヘラオヤモリ」とかってラベル見た瞬間、
「いや、ただのファイアアップだよね」って思っちゃう。

Sydney:
わかる。

エベノーヘラオヤモリって、
じわじわ人気は上がってきてるよね。

Jack:
そうだね、飼育のしやすさが大きいと思う。

エベノーは温度にも湿度にも、めちゃくちゃ強い

もちろん、
繁殖期に入るとメスへの負担はエダハヘラオヤモリと同じくらい大きい。

むしろ、繁殖のときが一番トラブル出やすいと思う。

繁殖中のメスに関しては
他の種と同じくらい、もしくはそれ以上に問題が起きやすいかもしれない。

でもさ、単純に飼育・維持するだけって話なら
ほんとに、全然楽だよ。

Sydney:
でさ、君が前に送ってくれた
「バスキングして体温29℃!」って写真あったじゃん?

Jack:
この前なんて、体温測ったら約33℃あったんだよ。
ヤバイやろ。

Sydney:
うわ……。

わいのエダハヘラオヤモリだったらケージの底で溶けてるわ。

Jack:
この前友達と話してたんだ、
スベヒタイヘラオヤモリにもバスキングスポット入れた方がいいのかなって。

地域的に考えると、オスは特にバスキングスポットを求めてる可能性はあるよね。

だったら部屋全体をヤマビタイヘラオヤモリ向けにするだけじゃなくて、
ちゃんと“選択肢として高温スポットを用意すべきなのかもなって。

Sydney:
うん。

でもそれはクレイジーだよ。

親個体となるメスにやっていることとエサの話

Jack:
話変わるけどさ、
繁殖メスってやっぱりめちゃくちゃ繊細になることあるじゃん?

何か、繁殖シーズン前とか、シーズン中に
意識してやってることってある?

Sydney:
冬の間は必ず給餌量を落とすよ。

で、ペアリングする予定の2〜3週間前くらいから給餌量を増やす
そうすると、体を作る時間が良い感じに取れるんだよね。

エサに関していうと、マジでアメリカがめちゃくちゃ羨ましいよ。
カナダってさ、原産種以外のほぼ全部のカタツムリが違法なんだよ。

カナダのネイティブのカタツムリってBC州にいる「グローブスネイル」くらいしかなくて
見た感じ全然やわらかそうじゃないんだよね。

「うちの子たちにエサとして使えるのかな?」ってレベルでさ。
もう、ほぼ石みたいな感じ。

わいのエダハに食べさせるのはちょっと無理。

しかもさ、サイズ的にもローチを与えるには小さすぎる個体がほとんど。
だからエサの選択肢的に完全にコオロギ縛りなんだよね。

カナダってエサ関係は全部違法ってレベルなんだよ。

イナゴもダメ。
カタツムリもダメ。
デュビアローチもダメ。

でもディスコイドはOK
イミフすぎるって!

だから最近ブラックソルジャーフライの幼虫試そうか迷ってる。

ただ問題があって、カップで与えなきゃいけないんだよね。
そうするとさ、ミスティングしたらカップに水が全部入るじゃん?

でもとりあえず試してみるのはアリかなって思ってる。

Jack:
あれ(BSF幼虫)ね、
実は前にも試したことはあるんだよ。

でもワーム系全般、ほんとに相性悪くてさ。

たしか
シルクワームを100匹近く用意して給餌しようとしたことがあったんだけど、
誰も一切食べなかった。

Sydney:
なるほど。
ちなみに、レッドランナーローチも飼えないんだよ。

マジで、何もできない。
だから結局、コオロギに頼るしかないんだよ。

Jack:
まあでも、今のところ問題なくいってるよね?

Sydney:
うん、今のところはね。

もうとにかくコオロギを死ぬほどガットロードして
あとは「頼む…」って祈るだけ(笑)

Jack:
ちなみにガットロード何使ってるの?

Sydney:
正直言うと、冷蔵庫の中身ぶち込んでるだけ。

ニンジン刻んで、レタス刻んで、他の野菜もいろいろ細かくして。
そこにちょっとだけカルシウムも振ってる。

ダスティングとは分けて考えてて、サプリは全部個別管理。
使ってるのはArcadiaのEarthProシリーズ。
それとレパシーみたいなカルシウムプラスも使ってる。

でもD3が入ってるのがあんまり好きじゃなかったんだよね。
だってもう、全個体にUV当ててるからさ。

だからArcadiaのピュア炭酸カルシウムに切り替えた。
それと、ビタミンAは月に2回くらい
D3はほんとに使わないんだよ。

必要だと感じたことが一度もないくらいさ。

直射日光を浴びなくても、フィカス越しにUVはちゃんと届くし。

Jack:
じゃあそのビタミンAは、脱皮対策とか?

Sydney:
いや、違うよ。

Google Scholarで論文読んでたときに見つけたんだけど、
ビタミンAって卵殻形成にすごく有効らしいから、
それ目的で使ってる。

論文の細かいタイトルは忘れたけど、ヤドクガエルと複数種のヤモリを対象にしてて。

分子レベルの検査をやった結果、
ビタミンAを与えていた個体の方が、卵殻の形成が明らかに良かったって結論だった。

Jack
なるほど、面白いね。

Sydney:
わいもそんなに頻繁にはやってないんだよ。
さっき言ったみたいに、月2回とか、そのくらい

Jack
確かわいもレパシーのビタミンAサプリを持っててさ。

たぶんヤドクガエル用だったと思う。
卵やオタマジャクシにはビタミンAがめちゃくちゃ重要って言われてるしね。

だから、それをヘラオヤモリに狙って使うって話は正直ちょっと新鮮で、
面白いなって思った。

わいが聞いたビタミンAのメリットは、脱皮不全の改善だね。
脱皮不全の時って、栄養的に何か足りてないケースもあるって聞いた。

Sydney:
うん、それもあるよ。

だからわいの場合、エダハヘラオヤモリは少し多めに使ってる

この辺の湿度だとエダハは脱皮で苦労することが多いんだよね。
無理に剥がす作業はしたくないし。

Jack:
わかる。

たまに個体を見に行くとまだフード(頭の皮)だけ残ってることがあって。

「ん? ちょっと変だな」って思って、翌日また見ると、まだ残ってて。
さらに次の日、やっと取れてる、みたいな。

でもそれって明らかに理想的な状態じゃないじゃん?

だから「これは環境か、サプリか、どこかを調整しないとな」って思うわけ。

孵化からベビーの育て方

Jack:
エダハヤモリの話題からうつる前に
孵化からベビーの育て方について話してもらっていい?

そこも、彼らのライフステージの中ではかなりセンシティブな時期だと思うし。
ベビーはどう扱ってる?

Sydney:
最初は普通にショウジョウバエ用のデリカップから始めたんだ。

しばらくはそれでうまくいってたんだけど、
たぶんわいが初心者だったのもあってミスティングしすぎてたんだと思う。

中がびしょびしょになるのが気になって。

それで、今度は小さいアクリルケースを使うようになったんだ。
たぶんハエトリグモのやつだったと思う。
折り畳み式、組み立てるタイプ。

値段はカナダでは1個18ドルくらいかな。
もちろんデリカップよりは高いけど、全面に空気穴が開いてるのがすごく良くて。

それに、高さがあるから床材の層も少し工夫できるようになった。

前はベビーにはミズゴケを使ってたんだけど、
途中からZoo Medのフォレストフロアに切り替えた。

これが結構良くて、その上に落ち葉を被せるだけ。
ミズゴケみたいに水分をガッツリ保持しすぎないのがポイントなんだよね。

これだと一日の中でちゃんと“乾く時間”ができる

それがめちゃくちゃ重要だと思ってて。湿度はもちろん最適に保つ必要はあるけど、
やりすぎると上部呼吸器感染(URTI)になるのが一番怖い

あの、ジメジメして空気がよどんだ感じ、あるじゃん。
ああいう環境には絶対したくないんだよね。

だから個人的には
Zoo Medのフォレストフロア、かなり気に入ってる

ヘビにも使ってるし、ABGミックスにも混ぜてるくらい。
今はもうこれしか使ってない

フォレストフロアの上に枯葉を敷くだけ

それに、このアクリルケースって完全密閉じゃないんだ。
だからアダルトのケージの上に置いて使ってる

もし水をちょっと入れすぎても、排水されてそのまま下のアダルトケージに流れてくれる

Jack:
ああ、なるほど。

それ、わいも最初に卵を孵化させたときに体験したわ

900gのカップで、水分過多になる問題ね。
結局、霧吹きの量をかなり減らすようにした。

エダハヘラオヤモリにも当てはまるっていうのは
正直ちょっと意外だったな。

でも確かに、下の方でじっとしてる個体がいると、
湿気が溜まりやすいし…そういうトラブル、起き得るよね。

ところでベビーたちには、いつくらいからライトを当て始めてる?

Sydney:
うーん、ベビーについてはね、D3を成体より頻繁に使ってるよ。

実は、上にライト用のストリップを設置しようとは思ってたんだけど、
距離が近すぎて焼いちゃうのが怖くて、まだやれてない。

ただ、だいたい生後数か月くらいになって育成用ラックに移す頃には、ライトが当たる環境に移してる。
もしくはその時点で販売することも多いね。

販売する場合は、必ずUVライトを用意してもらうようにしてる
今のところ、それで問題が出たことはないよ。

Jack:
うん、わいもエベノーでほぼ同じことしてる

900gカップから出る頃には、だいたい数か月経ってて、もう次の段階に進める感じ。
そこでUVがある環境に行くか、新しい飼い主のところに行く

だから、その考え方はすごく納得。

トゲヘラオヤモリとの出会い

Jack:
よし、じゃあ……
そろそろフィナーレ行こうか
トゲヘラオヤモリの話だね。

Sydney:
待ってました。
じゃあ、まずはどうやってあいつらに辿り着いたかから話すね。

前にある友達が、ヘラオヤモリをやめて、かなりの個体をわいに譲ってくれてさ。

で、その時に彼女が
「トゲヘラオヤモリ」っていう名前を出してきたんだよ。

わいそれ聞いて「え、なにそれ?」ってなって。
調べたら値段えぐいし、どこにもいないの。
ほんとに誰も持ってない

それでDale にDMしてみたけど、
「ウェイティングリストめっちゃ長いから時間かかるよ」って言われて。

しかも、彼が出してるのも全然見ないから、
「このリスト、しばらく動かんやつだな」って思って。
「まぁいいや、いつか手に入ればいいか」って気持ちになってた。

そしたらある日、友達 からメッセージ来てさ
ノーザンライトレプライルインポートのオーナーアシュリーのリスト見ろ!」って

急いで調べたら
そこにドンって「トゲヘラオヤモリ 2.2(オス2/メス2)」が載ってて。

めちゃくちゃ焦ったよ。

で、まず最初に考えたのが、「わい、ヤモリ2匹に3000ドル出せる状況か?」って。
でもすぐに「もういいや、関係ない」ってなって。

次に考えたのが、「スペースあるか?」ってこと。
で、「Exo Terra 2台ならいけるな」って思って。

数日考えてから、「よし、行くか」って決めた。

ドイツから来るってこと以外何もわからなくて、
サイズも状態も、実際どうなのか全然分からなかった。

ブリーダーにはメッセージしたけど、細かいイメージまでは掴めてなくて。

で、実際に届いて……
うわ、マジか」ってなった。

エダハヘラオヤモリを初めて迎えた時も
やばい、最高だ」って思ったけど、今回はそれ以上だった。

だってさ、「今、カナダにいるのこの個体だけじゃん」って。
わいしか持ってないんだ!

Jack:
それ、特別感やばいよな。

Sydney:
いや、ほんとに。
めちゃくちゃ最高だった

届いた時はかなり小さかったけど、成長はめちゃくちゃ早くて。

そんで今年が彼女にとって初めての繁殖年だったんだけど……
枯葉の中に見事に埋められた卵を見つけたんだ

めちゃくちゃ興奮した。

それで孵化器に入れて3か月くらい経ったところで、
ライトを当てて、キャンドリングしてみたら…黄色だった。

完全に石灰化してて、形も完璧で、めちゃくちゃ綺麗な卵だったんだよ。
小さな真珠みたいな卵。

でも、無精卵だった

Jack:
ええ…マジ?

いつペアリングしたの?

Sydney:
5月だね。

ペアリング中に、ケージ内のあちこちで無精卵はいくつか見つけたけど
そのクラッチが唯一ちゃんとした産卵だった

だから、来年はもう少し早めにペアリングしようと思ってる。
たぶん3月か4月くらい

8月か9月くらいからずっと分けてあるから、
その時期なら5〜6か月の休養期間はちゃんと取れてる。

とにかく来年はなるべく早めにスタートしてみようと思ってる。

Jack:
いいと思う。

Sydney:
実は今年さらに1ペア手に入れたんだよ。

その個体たちはまだ育成中。
状態はすごくいいけど、繁殖はたぶん1年くらい先かな。

早くても来シーズンの終盤、もしくはさらに次のシーズンだと思う。

別に急いでないし、リスクを冒したくない

今の人生の目標はトゲヘラオヤモリを数匹、確実に繁殖させること。

正直言って2個でいい。
2個あれば十分卵が2個!

Jack:
もし、卵を産ませることができた日、あるいはハッチさせられる日が来たら。
それがわいらの人生で一番最高の日になると思う。

Sydney:
例えば、Daleはすごく良いトゲヘラオヤモリを持ってる。
でも問題は、ずっと彼だけだったってこと。

遺伝的なバリエーションが、ほとんど存在しなかった。

だからここ数年で、多くの人たちがBIONからの輸入を始めたんだよね。
※BIONはウクライナの超有名な爬虫類繁殖センター。

ただ、BIONはカナダへの発送をあまり好まない。
最低注文数を満たせないからね。

正直ちょっと悲しいよね。

でも今年は、たしか1回だけ注文が通ったんだ。
たぶんAshleyが説得したんだと思う。

そのリストにはヘラオヤモリはほとんど載ってなかった。
もし載ってたとしても、エダハ1ペアでカナダドル1,800ドルくらい。

さすがに高かった。
もちろん、すごく良い個体だったとは思うけど

だからさ、エダハヘラオヤモリは別に今すぐ必要でもなかったし、
今回はBIONからは注文しないことにしたんだよ。

でもさ、BIONがハッチした個体とか、トゲヘラオヤモリを見るたびに
やっぱり気になっちゃうんだよね。

実は2年くらい前にBIONに直接メッセージしたことがあって

そのとき、『ああ、もうその種は扱ってないよ
『でも、うちのジャーナルに飼育・繁殖記録があるから読んでみて
って言われたんだ。

それで、実際に読んて、いろんなことを学べた。

そしたらそのあとで君が『BIONからトゲヘラオヤモリを輸入する』って言っただろ?
だから不思議だったんだ。
もうその種は扱ってないって言われたのに。

Jack:
BIONは、本当に素晴らしいことをたくさんやってるよね。

ある日、わい、ヨーロッパのモルフ市場的なのをスクロールしてたら、
“BIONから買いたい” とか“トゲヘラオヤモリ探してます” みたいな投稿が並んでて。
それ見て、わいの中で一つ仮説が浮かんだんだ。

たぶんだけど、BIONは現地ブリーダーから個体を仕入れて、
それを転売して輸出してるんじゃないか
って。

正直言って、それについては全然問題ない。
むしろ、わいはそれで全然いいと思ってる。

だってそれって、わいたちにとってバリエーションが増えるってことだから。

Sydney:
そう考えると、筋は通るよね。

以前は“扱ってない”って言ってたわけだし。
まあ、いろいろあるんだろうしさ。

それに、今のウクライナの状況を考えたら、
簡単じゃないってのも分かる。

だって、『飼育が難しい』とか『繁殖が難しい』って言われてたし、
実際、繁殖が難しいっていうのを今は100%実感してる

まあ、そんな感じで、その時は深く考えてなかった。

でもさ、君がゲットしたって聞いたときは本当に『すげえ』って思った。
しかも、君のは結構デカいサイズで来たよね。
わいのは、来たときめっちゃ小さかった。

Jack:
うん。

えっと、わいの最初の個体の話をすると―

その頃のわいのヘラオヤモリのコレクションは、
たぶん、エベノーが2ペア、ヤマビタイが2ペアくらいだったと思う。

そんなにたくさんじゃない。

それで、たしか1月のポモナショーの会場に向かう車の中で、
友達と『今回は何が欲しい?』「いつかほしい種類ってなに?」みたいな話をしててさ。

そのときわいは、
『ちょっと前に、アメリカのMorphMarketにトゲヘラオヤモリのペアが出てたよね』って話しをしたんだ。

価格は3000〜3500ドルくらいだったと思う。
それは、結局売れたかどうかも分からない。

当時は知り合いも全然いなかったから、誰の出品だったかも覚えてない。

それでそのイベントで、
ある友達のテーブルにトゲヘラオヤモリが1匹だけ置いてあった。
それが、2019年のBIONインポートのオスで、800ドルくらい。

速攻で買ったよ

そのときは、『よし、オス1匹いれば十分だな』って思ってた。
繁殖とかは、まったく考えてなかったんだ。

それで、そのオスをしばらく飼ってて、
ヘラオヤモリとかSNSとかを通じて、Masonってやつと仲良くなった。

で、彼が引っ越すことになったんだ。
たしか、アリゾナからテネシーへの、かなり大きな横断移動だったと思う。

車でヘラオヤモリを長時間移動させるのって、かなり危険だって聞くじゃん。
特にアリゾナなんて、信じられないくらい暑いし。

車の中で一つ悪いことが起きたら、もう終わりだよ。

それでMasonは、彼のヘラオヤモリのコレクションを手放すことにしたんだよ。
わいにはスベヒタイと、トゲヘラオヤモリのペアを譲ってくれた。

これが、わいがトゲヘラオヤモリのメスをゲットした流れだよ。

で、最近になって―

知り合いというか、Instagramで知り合った人がDMしてきて、
BIONのインポートリストにトゲヘラオヤモリが載ってるよって教えてくれた。

それで、オス1匹、メス2匹をBIONから購入したんだよ。

Sydney:
じゃあ、今何匹いるの?

Jack:
今はオス3匹、メス3匹だよ。

それで、今年その Mason から譲ってもらったペア1組をペアリングしてみたんだ。
メスは今、だいたい 2歳〜2歳半 くらい。

失敗したくなかったから6月にペアリングしたんだ。

しっかり太って、調子も良くなって、全部整ってからにしようって思ったら、
そのくらいの時期になってた。

ペアリングして10日くらい後に、1クラッチだけ無精卵を産んだ。

だから、交尾はしてないんじゃないか って思ってる。

それでちょっと聞きたいんだけど、
さっき言ってた完全に石灰化した卵って、交尾はしたけど受精しなかったってことだと思う?

壁とかにくっついて産み付けられた無精卵って、
そもそも交尾すらしてなくて、
メスが勝手に産んだだけだと思うけど、
今回のはそうじゃないよね。

Sydney:
わいはそう思ってる。

だって、完全に石灰化した無精卵なんて、
他に一度も経験したことなかったから。

自分が初めてそれを経験したのが、よりによってトゲヘラオヤモリだったわけで。

まあ、でもしょうがない。
またチャレンジするしかない。

ただね、わいのトゲヘラオヤモリは交尾はしてたと思うんだ。

一緒に過ごしてる時間がかなり長かったのを見てたし
狩りも一緒にしてたし、昼間も一緒に寝てたし、
コルクの下とかを覗くと、いつも一緒にいた。

それに、実際に交尾してるのも見てるし。

だからこそ、卵を見つけたときはマジで期待してたんだ。
…でも、卵は無精卵だった。

Jack:
うん。

ヘラオヤモリ関係の友人が前に すごく古い雑誌 を送ってくれたんだ。
たしか、10年くらい前の『Gecko Magazine』 だったと思う。

そこに Sean Foley が書いたトゲヘラオヤモリについての記事があって、
その中で「バスキングスポットを導入していた」って書いてあった。

それが、ちょっと奇妙というか、興味深い と思った。

低ワット数のバスキングスポット だったらしい。

それを考えると、
トゲヘラオヤモリがかなり高い位置に生息している可能性があるって話にも一理あるのかも知れない。

もしかしたら、時には強い直射日光を浴びているのかもしれない。

Sydney:
うん、マダガスカルの、ほんの小さな一角に分布している高木層性の種だしね。

Jack:
それにしても、あの場所にしかいないっていうのが本当に不思議だよね。
まあ、実際にはその地域でしか発見されてないだけなのかもしれないけど。

Sydney:
そうだね。

わいはとにかく来年は繁殖が上手くいってほしいって思ってる。
1匹でいいからハッチしてほしい。
本当に1匹でいい。

ハッチしても売るつもりは全くないよ(笑)
ずっと飼う。

Jack:
それな。

でも投資と考えたらこれは最悪だよ。
トゲヘラオヤモリに払ったお金は絶対に回収できない(笑)

だから、これは栄光のためなんだ。

Sydney:
そうだよ、
いつかはトゲヘラオヤモリの軍団を育てて見せる。

Jack:
実は、アメリカにはそういう人たちがいるっていう噂を聞いたことがある。
それがもうめちゃくちゃ気になってしょうがない。

彼らが一切情報を出さないのも分かるし、プライバシーを尊重する気持ちもある。

でもさ……
いつか、そういう人たちと腰を据えて語り合えたら最高だよな。

Sydney:
トゲヘラオヤモリについて話せる相手がほとんどいない。

カナダのノバスコシア州にニール・マイスターっていう人がいてさ。
彼は、カナダのヘラオヤモリ界隈の重鎮的存在なんだ。

それで彼と話してたら、
『ああ、昔マダガスカルからトゲヘラオヤモリを10匹輸入したことがあるよ』って言ってて。

そしたら彼も、同じことを言ってた。
トゲヘラオヤモリは、繁殖させるのがとにかく難しいって。

だからわいは『ああ、やっぱりそうか』って思った。

Jack:
もし仮に、“失敗の原因かもしれないものを3つ挙げろ”って言われたら、何だと思う?

Sydney:
わい個人の考えだけど……

うまくいくかは分からないけど、ペアリングをもっと早めたいと思ってる。
まだクーリング中の段階でペアにしてみようと思ってるんだ

それを一度試してみるつもり。

で、そのまま一緒にクーリングを抜けていって
タイミングが同期するんじゃないかって。

うまくいけば、だけどね。

Jack:
今の“早めにペアリングする”って話に関連してなんだけどさ。

わいと相方でヤマビタイヘラオヤモリについて話してたことが、
トゲヘラオヤモリにも当てはまるかもしれない

それは
繁殖が成立する期間”がオス側にもあるんじゃないかってこと。

つまりオスが“有効な精子を持っている期間”が限られていて
その期間にうまく当たれば繁殖できるけど、

遅くなると、その能力が落ちていくんじゃないかって。

Sydney:
うん、あり得ると思う。

でも、情報がまったく無い。
誰もマダガスカルに行ってヘラオヤモリの繁殖を追跡してないし(笑)

Jack:
トゲヘラオヤモリに関する自然下の記録がひとつも存在しない。

それがもう、正直めちゃくちゃストレスで。

写真もさ、あるにはあるけど、めちゃくちゃ粗いのが数枚あるだけで

で、今ふと思ったんだけど……
早めペアリング説を後押しする要素としてさ
Daleがたくさんの個体を一緒に飼ってるじゃん?

トゲヘラオヤモリが一枚のコルクフラットの下に一緒に集まってるのを見ると
なんか、ブロメリア(植物)に集まる生き物みたいな要素があるんじゃないかって思った。

同じ穴に身を寄せて一緒に冬をやり過ごすとか。
寒い時期から暖かくなり始めるタイミングに一緒に同じ空間にいるとか。

トゲヘラオヤモリが、冬のクーリング中、もしくはそこから抜け始める時期に、
複数で同じ樹洞や空洞に集まることってどれくらい一般的なんだろう?

もし彼らがクーリング明けの時期に一緒に過ごして、
そのあと月日が進むにつれて分かれていく
とした、
早めにペアリングするって考えに、かなり説得力が出てくるよね。

Sydney:
うん、分かる。

だからわい、2月〜3月あたりで試してみようと思ってる
まあ、どうなるかは分からないけどね。とりあえずやってみる。

で、他に試すべきものとして考えるとしたら……エサかな。
とはいえ、わいはエサの選択肢がかなり限られてるけど。

たぶんだけど、種類より“量”の話かもしれない。

正直、栄養不足とは逆で“エサを減らす”って方向性をちょっと考えてる。

野生下の環境を考えると、
ちょっと痩せ気味の個体のほうが、繁殖的には有利なんじゃないかって。

別に太らせてるわけじゃないけど、トゲヘラオヤモリって本当に食べるの好きじゃん。

特にうちのメスなんて、出せば出しただけ食べる。

去年なんか、カルシウムサックが大きくなりすぎて、
2週間くらい餌を抜いた。
そしたら、ちゃんと元に戻ったし。

だから今年は、給餌量をもう少し抑えてみようかなって思ってる。

Jack:
冗談でよく言うんだけど、
トゲヘラオヤモリって、週にコオロギ3匹で太るんだよ。

意味分からないくらい栄養効率が良すぎる。

Sydney:
でもそれって、たぶん
ヘラオヤモリに限らず、飼育下の爬虫類全般に言えることだと思うんだよね。

多くの個体が太りすぎてる。
人は“かわいい”って言うけど、理想的な状態ではないよね。

だから来年は、さらに給餌量を絞るっていうのも試そうと思ってる。

特にオスなんてさ、言い方悪いけど、単なる精子提供者だしwww
週にコオロギ2匹くらいで満足すると思う。

Jack:
うちもそんな感じ。
体重もすごく良い状態だしね。

ベビーの写真が数枚あるからそれを参考にして、
このくらいが理想かな”って体型を推測できると思う。

Sydney:
あとは何だろうな…ライティングのサイクルかな。

例えば、夜をもっと長くするとか。

それか、Jackがさっき言ってたみたいに
スポット的な加温やバスキングスポットを入れるとか。

Jack:
わいが気づいたのは、
バスキングスポットの効果って、温度そのものよりも行動変化にあるってこと。

最近ちょっと意識して観察するようになったんだけど、
オスとメスで行動が違う気がするんだよね。

メスのほうが、ライトの近くにいることが多い。

実際、うちのメスは何匹かで
UVライトの真下にぎゅうぎゅうに詰まってることがあるんだけど
オスは全然出てこない。

Sydney:
わいもオスは日中全然見ないな。

昼間にオスを確認しようと思ったら、
ケージを完全にバラさないといけないレベル。

Jack:
メスでも1匹だけそういうタイプはいるけど、
残りの2匹はかなり姿を見せてくれる。

Sydney:
その写真送ってくれたよね。
もう、完全にバスキングしてるやつ。

それ見て、『あ、ヤマビタイヘラオヤモリみたいに堂々と陣取ってるな』って思ってさ。

オスの方は、
全部のコルクをひっくり返して
やっと見つかるかどうかなのに。

Jack:
先週ヨーロッパでトゲヘラオヤモリの繁殖に成功してる人と話したんだけど、
その人が言ってたのが『小さめの餌を与えるのが良いかもしれない』ってこと。

具体的には、成体のコオロギ、特に繁殖中のメスの成体コオロギは栄養価が高すぎる可能性があるから避けてるらしい。

だからその人は、ミディアムサイズだけをトゲヘラオヤモリに与えてる。
それで今年、実際にベビーを何匹か孵化させてる。

で、孵化に関しても聞いたんだけど、特に変わったことは何もしてないって。

温度はヤマビタイヘラオヤモリと同じ感じで、20度台前半くらい。
それで普通に孵化したらしい。

冬眠みたいな危険なこともしてなくて、
本当に、何も奇抜なことはしてない。

ヨーロッパでは成功してるのに、
こっち(アメリカ)でうまくいかない理由を考えると…

餌のバリエーションしか思い浮かばない。

Sydney:
マジでそれな。
ヨーロッパはマジでエサの種類が多い。

イベントとか見てると、
イナゴのコーナーがあって、
14種類のローチがあって、

カタツムリの箱があって、
あれもこれも選択肢がある。

それ見て、『いや、こっち(カナダ)は無理なんだけど』ってなる。

Jack:
ほんとだよ。

だから、考えられる唯一の希望は……
Daleはトゲヘラオヤモリの繁殖に成功してた。
しかもカリフォルニアで!

ってことは、絶対に方法はある!!

問題は、そこにどう辿り着くか。
そして、何が本当に重要なのかだよね。

Sydney:
厳しい挑戦だと思うけど急がないようにしてる。

トゲヘラオヤモリは、貴重で自分のミスで失っていいヤモリじゃない。

Jack:
そうだね。それはほんとにその通り。

よし。じゃあ、そろそろいい時間だし
まとめ的な質問をいくつかやって、今夜はここで終わりにしようか。

パパっと質問していくよ。

まとめ(ほぼこれまでと同じ内容)

Jack:
爬虫類部屋で、一番重要な道具は?

Sydney:
ミストキング(笑)

Jack:
wwww
聞くまでもなかったかもね(笑)

今飼ってる中で、一番好きなヘラオヤモリの種類は?

Sydney:
間違いなくトゲヘラオヤモリ。

エダハも好きだけど
トゲヘラオヤモリの希少性にはかなわない。

超激レア。
自分が4匹も持ってるってことが信じられないくらいだよ。

Jack:
でも、ほとんどの時間、空のケージを見てることになるんだよね。

Sydney:
www
それが夜になると、ちっちゃなツリードラゴンみたいゆっくり出てくるんだよ。
それが、最高。

Jack:
わかる。

じゃあ次。
飼ってないけど、好きなヘラオヤモリは?

Sydney:
テイオウヘラオヤモリ
テイオウ大好き。

よくみんな『マダガスカル(フリンジ)ヘラオヤモリでいいじゃん』って言うけど、
テイオウヘラオヤモリの方が、模様のバリエーションが全然多い気がする。

めちゃくちゃかっこいいマダガスカル(フリンジ)ヘラオヤモリも見たことはあるけど、

でも確か、テイオウヘラオヤモリの方がさらにデカくなるはず。

Jack:
見た感じはかなり似てるよね。

ただ、聞いた話だと体の“厚み”というか
ボリューム感はテイオウヘラオヤモリの方があるらしいね。

やっぱり模様がね、ちゃんと見比べるとかなり違う。
多少は被る部分もあるけど、基本的には全然別物って感じ。

テイオウヘラオヤモリって、
黒い部分とか暗色が、より“ブロック状”というか、角ばって見えるんだよね。

言葉にすると難しいけど。

Sydney:
思い出したんだけど、
2014年くらいの投稿
フィニアバナヘラオヤモリをハッチさせてる人を見たことがあるよ
Uroplatus finiavana

見た目が、エダハとエベノーのハイブリッドみたいで、
尻尾はエベノーより大きいけど、エダハほどは大きくない。

それ見て、『うわ、やば』って思ったんだけど、それ以来まったく見てない。

Jack:
偶然採集されちゃうタイプの種類なんだろうね。

Sydney:
エベノーとしてフィエラが入ってくるのと同じ感じだよね。

めっちゃ良く見かける。

Jack:
実はこの前、フィエラを実物で初めて見たんだけど、
正直かなりカッコいいと思った。

オンライン上だとフィエラかエベノーか判断は難しいけど。

派手な色があるわけでもないし。
でも、オスの模様がめちゃくちゃモザイクっぽくてへんてこで良い。

じゃあ次の質問。

もし自分の動物の中で、1個体だけしか飼えないとしたら、どれにする?
種じゃなくて、個体で。

Sydney:
1個体か…

最初のヤマビタイヘラオヤモリだな。
オリオンって名前を付けてる。

あいつが、すべての始まりだから。

Jack:
わかる。

わいもたぶん、古くから飼ってるヤマビタイヘラオヤモリだな。
あのグリーンのメス。

よし。じゃあ次。

もし幸運にもその機会を与えられたとして
野生下で一番見つけてみたいヘラオヤモリの種は?

Sydney:
トゲヘラオヤモリだね。

野生化で見ることが出来たら、本当に最高の体験になると思う。

たぶん実際には、20匹の横を通り過ぎても、1匹も見つけられない
みたいなことが普通に起きると思うけど。

だって、プロたちがマダガスカルに行ってるのは聞くけど、
それでもヤマビタイヘラオヤモリとかフリンジヘラオヤモリでさえ、
あれだけ長期間現地にいても、少数しか見つけられないって話じゃん。

もし野生のでトゲヘラオヤモリを見つけたら、もう引退してもいいレベルだと思う。

Jack:
ほんとそうだと思う。

個体そのものを見つけるかどうかすらどうでもいい。

それより、環境データが取れたら最高。
例えば温度とか、何か基準になるデータが欲しい。

もうさ、死ぬ気で木のてっぺんまで登って、
『はい録画開始』って機材を仕掛けて、データ取れたらそれでいい。

それだけで価値がある。

じゃあ次ね。

ヘラオヤモリ以外で、野生で一番見てみたい爬虫類・両生類は?

Sydney:
うーん、いい質問だな。
あんまり考えたことなかった。

カナダって、正直ほとんど何もいないんだよね。
一応、キタガラガラヘビはいるにはいるけど、

でもそれもここじゃなくて、もっと南の方だし。
実物を見たことは一度もない。
見てみたい気持ちはあるけど……

でも、もし1種選ぶとしたら――

ガラパゴスイグアナかな、たぶん。
あれは“探さなきゃ見られない”ってタイプじゃないし、行けば見られる存在だけどさ。
それでも、めちゃくちゃかっこいいよね。

Jack:
たしかにかっこいい。

てかさ、ちょっと待って。
野生のガラガラヘビ、まだ見たことないの?

Sydney:
まだ見たことないなんだよ。

来年の夏は、南の方に行って探しに行こうと思ってる。
わいが住んでるカルガリー周辺はマジで何もいないんだよ。

Jack:
いや、南カリフォルニア来たら、マジで世界変わると思うよ。

Sydney:
だよね。

いつか行きたいと思ってるよ。
ここは寒すぎる。

Jack:
その時はわいらが案内するよ。

誰でも来たい人は車に乗せて、カナダ勢まとめて連れてくよ。

ヤバいガラガラヘビ、ちゃんと見せてやるから。
とんでもない旅になるぞ。

Sydney:
それは最高だわ。
絶対計画しよう。

Jack:
なんとか実現させよう。

じゃあ最後に、

これからヘラオヤモリを初めて飼おうとしてる人、
もしくは興味を持ってる人に向けて、何かアドバイスはある?

自分が始めた頃に、これが助けになったなって思うことを
みんなに教えてあげてほしい。

これからヘラオヤモリを飼う人へのアドバイス

Sydney:
リサーチ、リサーチ、リサーチ。
とにかくリサーチすることだよ。

しかもただググって「爬虫類 必要なもの」とか調べるだけじゃなくて、
ちゃんとした論文を探すとか、長い飼育経験のあるブリーダーと話すとか。

間違ってもChatGPTに『この生き物をどうやって飼えば生きますか?』
って聞いちゃいけない。

多少の情報は得られるかもしれないけど、
結局は関係ない情報とか、わいだったら勧めない内容が出て来てしまうからね。

それが、一番大事なポイントだよ。

わいは誰にでも同じことを言うんだ。
リサーチして、って。

中にはそれが気に入らない人もいる。
『なんで俺に売ってくれないんだよ?』
って言われることもあるよ―

でも、悪く言うつもりはないけど、
正直、こんなに希少な生き物を、死なせる可能性が高い人に売りたくない。

ちゃんとやらないなら、死ぬ可能性はかなり高いんだよ。
特にエダハヘラオヤモリに関しては。

だから、そこは本当に重要だと思う。

Jack:
完全に同意。

でもリサーチしただけではわからないこともあるよね。

つまり、パラメータのような数値だけを知るのは簡単だけど、
その“意味”を読み取るのは難しい。

たとえば湿度。
同じ湿度50%でも、ケージの構造や環境によって、動物が受け取る影響は全然違う。

Sydney:
どこに住んでるか、とかで変わるからね。
カリフォルニアとアルバータで同じになるわけがない。

Jack:
カリフォルニアは、時々かなり乾燥するし、干ばつもある。

カリフォルニアも干ばつが多い州だけど―
少なくともわいは海沿いにいるから、夜霧があるよ。

夏はかなり乾燥してるけどね。

Sydney:
でも、やっぱりみんなに伝えたいアドバイスは
リサーチすること、人と話すこと、
これだよ。

誰だって最初は初心者だった。
何も知らない自分を恥ずかしいと思わなくていい。

とにかくリサーチすることから始めればいい。
そうすれば、きっと上手くいくと思う。

Jack:
最高だったよ。

ここまで一緒に話してくれて、本当にありがとう。
わいが録ったポッドキャストの中で間違いなく最長(笑)

じゃあ最後に、みんながSydneyを見つけられる場所を簡単に紹介してもらっていい?

SydneyのSNSの紹介

Sydney:
うん、もちろん。

Tree Critters って名前で、InstagramとFacebookをやってる。
Instagramのプロフィールにリンクまとめがあって、そこから全部見られるよ。

それと、ウェブサイトもある。treecritters.ca ね。
販売のほとんどはそこ経由。

それと、TikTokもやってる。
名前は同じでTree Critters。

そんなに頻繁には更新してないし、ソーシャルメディア得意なタイプでもない。
でも、ちょっとずつ頑張ってるよ。

Jack:
で、次なんだけど、近々出る予定のイベントとかってある?

Sydney:
いや、カナダではもう今シーズンは終わりかな。

小さいイベントはいくつかあるんだけど、
今回はそれらには出ない予定だよ。

次に出るとしたら、春になると思う。
Western Canadian Reptile Expo があって、春と秋に1回ずつ開催されるんだ。

そこは本当に良いイベントだよ。

カナダにいる人なら、特に アルバータ州の人はもちろん
どこからでも来る価値がある。

運営してる人たちもすごく良くて、めちゃくちゃ手間をかけて作ってる。

何かあればわいにメッセージしてくれてもいいし、
イベントに来て直接声かけてくれてもOKだよ。

Jack:
了解。今日はありがとう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

旅、読書、漫画、レコード、音楽、楽器、釣り、プラモ、ガレージキット、ぬいぐるみ、電子工作、ゲーム、レトロゲーム、片付け、ガジェット、金融、ビジネス、株など、趣味が多すぎる男。
実際に体験したことだけを書く、誠実な男。

目次