【ブラック企業体験記】7時から翌朝4時まで21時間、超長時間労働の漆黒企業

社会人になってかなりの時間が経ちました。
いくつかの会社を経験しましたが、
見事にすべてブラック企業だったので
私が体験したブラック企業の詳細を
1社ずつ綴りたいと思います。

それらの会社に私が勤めていたのは20年近く前なので
現在はホワイトに変わっている可能性もあります。

昔はこういう会社もあった、
ぐらいのお気持ちで読んでいただけると幸いです。

目次

漆黒企業:インテリア関係

新卒で入社した会社が、
私の職業人生の中で最もブラックな会社でした。

インテリア関係の企業でしたが、
特に長時間労働暴力がひどかったです。

労働時間で言えば、
ピークの時期は出勤時間午前7時退勤時間午前4時でした。

季節商品を取り扱っていたため、
ピークの時期も1日や2日ではなく、
ピークが3か月~約半年続くので、
その間ずっと退勤時間は午前4時です。

車で帰っている途中、
信号待ちで寝落ちして起きたら出勤時間になっていた、
なんてこともありました。

また、基本的に休みは週1で、
年間休日は60日程度でした。

暴力については、
頭を叩くぐらいは当たり前、
殴る蹴るの暴行を見かけるのも日常茶飯事でした。

就活から内定まで

就活時は「とにかく働きたくないでござる」の精神で、
ろくに企業研究もせずに、
給料と勤務地だけを見て就職活動をした結果、
一番初めに内定を出してくれたのが
私の勤めたインテリア会社でした。

内定までの流れは、
会社説明会

一次面接

社長面接

内定
だったと思います。

300名規模の会社で同期の新入社員は私を含め40名強。
入社前の10月ごろに
親睦会という名のガチ目の運動会があり、
その運動会の後、数人は内定辞退をしたようです。

新入社員研修

入社直前の3月に新人社員研修がありました。
京〇ラの指導員が来て、
1年上の先輩たちと共に社員研修が行われたのですが、
内容は挨拶、電話応対、名刺交換の仕方などシンプルな内容でした。

しかし、1点気になったのは、
研修の成績が悪い先輩社員が講師に平手打ちをされていたこと。

暴力と共に育ってきた昭和世代なので
「あ、社会人になっても暴力ってあるんだ」程度の感覚でしたが、
今考えると明らかに異常です。

1年間お前は何をやってきたんだッ!!!!
と叫びながら平手打ちをする講師と、
それを容認する会社
はっきり言ってまともではありません。

それに気付いた聡明な数名の同期は研修後に入社を辞退しました。
私からこの記事を読んでいる皆様にお伝えしたいのは

暴力がある会社は絶対即辞めること

暴力を見かけ、
それを会社が容認している場合、
その会社は異常です。

即日退社を決意した方が良いです。

入社式

40名いた内定者も
運動会と入社前研修で数名減り、
30名強になって入社式を迎えました。

入社式後に内示が出され、
それぞれの部署に案内されます。

私は「企画・開発」部門で内定を受けていましたが、
私は社内で1~2位の売り上げを争う商品部門に配属されました。

入社式後に採用担当に確認したところ、

まずは事業部で経験を積まなければ企画・開発部門には行けない

とのことでした。

会社説明会でも、内定でも、研修でも
一切そんなことは言われていませんし、
むしろ希望の事業部に必ず入れる、ぐらいのことを言われていました

現在であれば、配属先が内定時の内容と違えば
その時点で退社すると思いますが、
当時の私は「まあ、そんなもんか」と考えて、
その意見を飲み込みました。

ブラック企業はうそをつきます
配属先、勤務形態、給与など、
とにかく様々な嘘をつきますので、
入社後に、面接時や内定時の情報と違うことがわかり、
会社側から言われた内容が
納得できる内容ではない場合、
辞めることを検討して良いと思います。

業務開始

ついに社会人生活が始まりました。
朝は8時に出社して、
午前中は朝礼、基礎知識研修、
午後は配属先で仕事を教えてもらい、18時には退社。

8時-18時で勤務時間は9時間になりますが、
運動会、新入社員研修、内定式を乗り越えてきた鈍感な新入社員は
誰もそんなことに気付きませんでした。

気になるのは、
8時に行くと新人とパート以外の社員は既に出社していて、
18時にはまだ誰も帰らないこと。

夜は毎日新人同士で集まって一緒にご飯を食べていたのですが

昨日〇〇さん、3時まで仕事をしていたらしい

などの情報が入りはじめ、
さすがの我々も
あれ?この会社本気でやばくねえか?
と思い始めました。

18時には帰らせてもらえなくなる

入社から1か月が経ち、5月になるころ、
18時になっても
「今日は帰っていいよ」と誰も言ってくれなくなりました

むしろ無限に仕事があり、
一生終わる気配がありません。


21時頃にやさしい先輩が
「新人はそろそろ上がれ」と言ってくれます
が、
21時でも新人以外の社員は全員がっつり働いています。

そしてゴールデンウィークが終わると
その優しい先輩も「帰っていいよ」と言ってくれなくなりました

そこからは
22時、23時、24時、1時、2時、3時、と
帰る時間がどんどん遅くなっていきます。

朝も7時に出社するように言われ、
早朝対応、清掃、その後8時から朝礼です。

同期の新入社員が
6月までに1人が家庭の都合で辞め、
1人が精神を病んで消えました。

社内の暴力について

長時間社内にいると、
これまで見えなかった部分が見えてきます。

1つは暴力
ミスをすると容赦なく殴られます。

口答えをすると
胸ぐらをつかまれ罵声を浴びせられます。

殴るのもげんこつ、平手打ちは良い方で、
下手をすれば漫画のように殴り飛ばされます

この暴力は上司から部下に対してだけでなく
役職者同士が殴り合いをしていることもありました。

そのぐらい暴力が日常化している
異常な会社でした。

これほどまでに暴力が日常化しているのには理由があり、
社長がバブル期に会社を大きくするために
地元の暴走族を働かせ始めた
ことが発端で、

各事業部の部長
その当時の暴走族の総長がやっており、
元々敵対組織だった事業部長同士は、売り上げを競っているのです。

バリバリのビー・バップ・ハイスクール世代の部長たちは、
売り上げ勝負に勝つためには長時間労働や暴力は上等で、
気合で勝ち抜く世界でした。

漫画のような話ですが、
実際に存在している会社の話です。

長時間労働の原因

長時間労働が起こる原因は単純で、
何時でも発注を受けるからです。

売り上げをあげるために、
1日中受注を止めることはありません。

20時に来た注文も、24時に来た注文も、即日出荷です。

しかも一度に来る量が半端ではないため、
全く終わらないのです。

仮にクッション100個の発注が来ると、

・100個のクッションを集め、
・検品をして、
・店舗に合わせたラベルを付けて、
・梱包して
・発送する

という作業が発生します。

超売上至上主義が、
社員の睡眠時間を削り、
暴力をもってそれを遂行させている
のでした。

発注を受ける時間を17時までで止めれば
その後の発注分は翌日対応に出来るのですが、
事業部同士で毎日の売上を競い合っているため、
いつ来た注文もすぐに出荷して、
その日の売り上げを少しでも上げようとしていました。

ただこれは中堅メーカーではありがちな問題で、
即対応ができなければ出来る会社から仕入れる
と小売店に言われてしまえば、対応せざるを得ず、
それが常態化してブラック企業が出来上がるのです。

便利さや安さの裏には、
誰かのブラック労働があるかも知れません

長すぎる会議

長時間労働のもう一つの要因として、
長すぎる会議がありました。

リーダー職以上は
毎日朝7時から1時間会議(長い場合は3時間以上)

部門長以上は
月に一度15時から21時まで会議(長い時は23時まで)
年に一度ホテルを借りて1泊2日の会議

これらの定期的な会議に以外にも突発的な会議が発生します。

会議の間、通常業務は完全に停止しますので、
当然帰るのはその分遅くなります。

会議の内容もそれぞれの担当者が数字を発表し、
気になったところに社長が指摘を入れていくというもので、
大半の時間は無駄でした。

様々な経営コンサルタントの指示を受けた結果、
形骸化した「会議をする」という項目だけが残り、
意味のない会議を延々と続けるのも
中堅ブラックにありがちなことです。

休日について

休日は基本的に週1日、日曜日のみでした。
祝日はもちろん出勤、
土曜日も出勤です。

祝日、土曜日は出勤はしますが、
ありがたいことにほとんど発注がありませんので、
社長にさえ呼ばれなければ20時までには帰れていました。

お盆休暇はなし、正月は1日と2日のみ休みだったので
年間休日は60日以下かと思います。

日曜日は泥のように午後まで眠り、
夜になると月曜日が来る恐怖から
いつも朝5時ごろまで眠れませんでした。

漆黒企業の給料

給料についてはそれほど悪くありませんでした。
私が就活時に唯一こだわったのが初任給だったからです。

私が勤めていた当時で初任給が23万

初任給以外に以下のような手当や補助がありました。

・役職手当
・みなし残業代(2万)
ボーナス3か月分
インセンティブ(達成額の数%で上限なし)
住宅補助

特に住宅補助はありがたく、
1.5万円以上はすべて会社が出してくれていたので、
実質家賃は1.5万円でした。

合計すると年間500万くらいはもらっていたので、
私がいた地方都市では年収は高い方でした。

しかし実働時間から考えると時給600円程度
実際にはバイトをした方がましだったのです。

2年目以降は業績の低迷を理由に、
ボーナスも減っていきました。

当然ながら残業代は払われません。
みなし残業代20,000円が自動的に給料に追加されるのみでした。

管理者養成研修

選ばれた社員だけが行くことになる
管理者養成研修がありました。

これは指名制で、社長に直々に氏名された若手は、
管理者養成研修に送り込まれることになります。

聞いたことのある方もいるかと思いますが、
管理者養成のためのスクールがあり、
そこに2週間ほど監禁されて指導を受けるという研修です。

私は入社3年目の時期に選ばれてそこに行くことになりました。

内容は有名な「王将の研修」と同じです。
ラジオ体操を超本気でやり、
大声で叫び、
人前で歌い、
長時間歩く
それだけです。

感情に訴えかけるだけの研修でした。

その研修の中で講師が

本気で部下のことを思っているなら
怒鳴れ!殴れ!
それができないやつは管理者じゃない!

と叫んでいたのがすごく印象に残っています。

ひとり数十万もの大金を払って受けるような研修ではありません。

同期が次々消えていく

最終的に私は4年間その会社に勤めましたが、
私が退社するころには同期は10人以下になっていました。

精神的に病んでしまう同期も多かったです。
長時間労働や罵声でどうしても精神が疲弊するのです。

私も精神的に疲れていたときは、
運転中に車を壁に激突させようとしたことがあります。

同期の一人は
業務用のエレベーターに自ら足を突っ込み
骨折をして運ばれて行きました。

「何とかして抜け出したい」という思いから、
死なずに入院できる程度のケガをしたいと考えるようになります。

今考えれば辞めれば解決するのですが、
それがなかなか出来ませんでした。

過去に辞めると宣言して出社を拒否した社員の家に上司が突撃し、
その社員が会社まで引きずられてくる姿を見ているため、
「辞める」と言う勇気がありませんでした。

漆黒企業をやめたきっかけ

私が漆黒企業を辞めるきっかけは昇進でした。

4年目を迎えようとしていたある日、部長に呼び出されました。
そこで言い渡されたのが「昇進」です。

事業部長職への昇進を言い渡され、
1部門を任されることを告げられました。
私の下につくのは自分よりも年齢が上の荒くれものたちで、
その人たちをうまく扱える自信など皆無でした。

むしろ現在の長時間労働や暴力よりも
その人たちが自分の下につくことの方がよっぽど恐ろしく

部長から詳しい話を聞いた直後に
「だったら辞めます」と言ってしまいました。

そこからはかなりの引き留めがありましたが、
この会社を抜け出るチャンスを逃すまいと、
私も必死で抵抗しました。

最終的には退職届は受理され、
五体満足で会社を辞めることが出来ました。

昇進を受け入れていたら、
部下からも上司からも責められて
精神を病んでいたと思います。

なぜ労働基準監督署に訴えないのか

ここまで見てきて
労働基準監督署に訴えなかったのか
という意見もあると思います。

実はこのインテリア企業には、
労働基準監督署が二度入りました

1度目は死亡事故があったとき。

深夜12時過ぎに事故で、
社員が1名亡くなったことがあるそうです。

私の入社前のことで、詳しい話は知りませんが、
死亡と事故の発生時間から労働基準監督署が入ったそうですが、
なぜか大した事件にもならず、捜査も入らなかったとのことでした。

2度目は、実家暮らしの新入社員の親が、
あまりにも帰るのが遅すぎる息子を心配して、
労働基準監督署に通報
しました。

しかし実際に行われたのは、
労働基準監督署が社内を昼間に見て回る監査のみ。

その後「手書きのタイムカード」が導入された以外、
何一つ変わりませんでした。

当然、このタイムカードに
朝九時と夕方六時に記入しろ、という通達が来て、
皆その通りにしていました。

導入して1か月も経つ頃には誰も記入しなくなり、
部長が全社員のタイムカードを記入していました。

この2度の労働基準監督署の立ち入り経験から、
社員は労働基準監督署に絶望しており、
訴えを起こす気など全く怒らなかったというわけです。

今にして思えば、
残業代の申請を裁判所に訴えれば
会社に大ダメージを与えることが出来たと思います。

退社後に残業代請求の裁判を起こせば、
大金を手にすることが出来たかも知れませんね。

しかしブラック企業に勤めたことのある方ならわかると思いますが、
辞めた後はもう一切かかわりたくないので、
残業代の請求裁判が出来るほどの力は
辞めた後には残っていないのが現実です。

漆黒企業のまとめ

私が勤めた漆黒企業の内容は以下の通りです。

・長時間労働 あり
・暴力 あり
・人間関係 まあまあ
・給料 まあまあ

身についた能力「長時間労働に耐えられる精神力」

最大21時間労働という恐ろしい環境でした。

暴力も当然のようにありましたが、
人間関係はそれほど悪くなく、
殴ってこない先輩はみな優しい方でした。
※その先輩は誰かに殴られたりしている。

給料も安くはなかったので、
人間関係と給与が良かったから
4年在籍し続けてしまったのだと思います。

しかしここに勤めて身についたのは
長時間労働に耐えられる精神力のみで、
職務的にも、その後の仕事に役立ったことはほとんどありません。

漆黒企業に入社しないためにやるべきだったこと

就活時代に戻れるなら、
必ずやるべきだと思うのは、
こっそり会社訪問です。

会社の近くに行って
何時ごろまで、会社の何パーセントのあかりがついているか
チェックすべきです。

こっそり会社訪問をすれば、
何時くらいまで働いているかがわかるので、
長時間労働が常態化している会社は避けることが出来ます。

また、転職の場合は、
雇用契約書を自分で作ることも大切です。

入社後に金銭や労働時間でもめる前に、
自分で雇用契約書を作り、
何かあったらその契約書を盾に戦うことも考えるべきです。

そもそもまともな会社であれば、
自分で作らずとも
会社側が雇用契約書を用意してくれます。

もし漆黒企業に入社してしまったら

万が一漆黒企業に入社してしまった場合は、
即辞めましょう。

特に暴力がある会社は異常なので、
すぐに出社をやめましょう。

労働基準法では
2週間前までに退職の申し出をすれば、退職出来る
と定めています。

とにかくどんなことをしてでも辞めるた方が良いです。

そして今度はしっかりと企業研究をして転職に臨みましょう。

漆黒企業を経験した私から言えることは、
精神を病む前にすぐ辞めることが一番大切です。

企業研究と事前調査をしっかりと行い、
そんな会社に入らないように気を付けましょう。

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この記事を書いた人

旅、読書、漫画、レコード、音楽、楽器、釣り、プラモ、ガレージキット、ぬいぐるみ、電子工作、ゲーム、レトロゲーム、片付け、ガジェット、金融、ビジネス、株など、趣味が多すぎる男。
実際に体験したことだけを書く、誠実な男。

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