片桐裕司先生の彫刻セミナーに参加しました

片桐裕司彫刻セミナー」という3日間の彫刻セミナーに参加してきました。

非常に良いセミナーで、感銘を受けたので、

その気持ちを忘れないうちに文章として書き残しておきたいと思います。

また、これから受講をされる方、検討をしている方の一助になれば幸いです。

どれぐらい凄いセミナーかは、下の画像を見て頂ければわかるかと思います。

実際に私が片桐裕司彫刻セミナーに参加して作った作品です。

たった3日でここまで成長できるのが、片桐裕司彫刻セミナーです。

目次

片桐裕司彫刻セミナーとは

まず、「片桐裕司」先生についてご存じでしょうか。

片桐裕司先生について

片桐裕司
フリーランスで映画・テレビのキャラクター制作に参加。
S・スピルバーグ、デル・トロ、サム・ライミなど著名な監督の作品に参加。
代表作には『キャプテンマーベル』、『パシフィック・リム』、『マン・オブ・ティール』、『エイリアン対プレデター レクイエム』、『ウルヴァリン X-Men Zero』、『パイレーツオブカリビアン 生命の泉』などがある。
2013年から日本の後進を育成するために「片桐裕司彫刻セミナー」を開催。
映画監督としても活躍中。

経歴をご覧頂ければわかる通り、超第一線で現在も活躍されている方です。

そしてその片桐裕司さんから直接彫刻について教えて頂けるのが
片桐裕司彫刻セミナーです。

片桐先生の登場は少しだけで、他は別の方が教える、ということは一切ありません。

最初から最後まで片桐先生が教えてくれますし、直接指導してくださいます。

もうこれだけでとんでもなく凄いセミナーだとお分かりいただけたのではないかと思います。

片桐裕司彫刻セミナーの種類

彫刻セミナーには大きく分けて2つ「一般セミナー」「経験者セミナー」があります。

初めて参加する場合は、まず「一般セミナー」を受講し、

一般セミナーを受講後、経験者セミナーの受講を予約することが出来るようになります。

もちろん一般セミナーを何度も受講することも可能です。

経験者セミナーの中には

  • クリーチャーデザインクラス
  • クイックフィギュアクラス
  • 頭部デザインクラス

などがあります。

そのほかにも浅草橋彫刻会やオンライン個人指導もありますので、

詳しくはWEBサイトをご確認ください。

とにかく、初めての方は「一般セミナー」に参加をするということです。

彫刻セミナーの予約方法

予約はホームページから行います。

セミナーの募集情報は、ホームページに急にアップされたり、公式X(旧Twitter)で告知が行われています。

フォローしてチェックすることをお勧めします。

超人気のセミナーなので、一瞬で満席になってしまいます。

半年後のセミナーであれば予約が余っていることもありますが、だいたいすぐにうまってしまうので、

悩んだらすぐに申し込んだ方が良いです。

キャンセル待ちも可能ですので、いったん予約してみる、というのはアリかも知れません。

彫刻セミナーの開催場所

私が参加したのは東京の浅草橋です。

それ以外にも九州、大阪、名古屋でも開催をしているようです。

浅草橋の彫刻セミナーは、総武線(中央・総武線)、都営浅草線の浅草橋駅から徒歩1~2分の便利な立地にあります。

秋葉原の隣なので立地はかなり良く、通いやすいです。

周辺にダイチャリなどのレンタサイクルのステーションもあるので、

レンタサイクルで通うこともできると思います。

片桐裕司彫刻セミナーに参加したきっかけ

今年のはじめごろからBlenderを触るようになり、

子供が描いたイラストを3Dで作ったりして遊んでいたのですが、

人間を作ろうと思った時、あまりにも難しく、作り上げることができませんでした。

良い資料はないかと図書館に参考資料を探しに行った際に

片桐裕司先生の「アニマル・モデリング 動物造形解剖学」を見つけたのが、セミナー参加のきっかけです。

動物を解剖学に基づいてどう作るか、ということが描かれているのですが、

その内容が非常にわかりやすい上に、面白く、没頭して何度も読み返しました。

この本の巻末に「彫刻セミナー」の情報があったので、

即アクセスして彫刻セミナーの予約をしたのがきっかけです。

その後「アナトミー・スカルプティング」を購入しましたが、

造形をする人にとっては最高の良書だと思います。

彫刻セミナーを受けた後にこの本を読むとより深く理解できるので、

参加する方は買って損はないと思います。

※彫刻セミナーでも購入は可能です。

片桐裕司彫刻セミナーで実際に体験した内容

予約が完了すると、何度かメールのやりとりがあり、

自分の過去の作品の提出、作りたいモチーフの写真をメールで提出します。

その後、当日の持ち物等の案内がありました。

事前の課題等は特になく、私は何の準備もせずに参加しました。

1日目

10:00からセミナーが開始されます。

教室は9:30から開いているので、9:30~10:00の間に会場に行き、好きな席に座ります。

10時のセミナー開始と共に彫刻ツールが配られ、まずは自己紹介

その後、片桐先生の「とりあえず作ってみよう」の一言で30分間の彫刻が開始。

その時に作った私の作品がこれです↓

時間は足りないし、どうすれば良いかわからないしで、

それでも何とか作り上げたのがこちらです。

その後、片桐先生が実際に目の前で彫刻を作ってくださいました。

受講生からリクエストを聞き、最も希望の多かったものを40分の制限時間を設けて作りはじめます。

片桐先生が40分で作った彫刻がコチラ↓

私が30分で作った作品と比べると、とんでもない差です。

作る前に数回写真を見ただけでこれを作り上げていく片桐先生。

どんどん形が出来ていくので、

「あれ、彫刻って簡単なのかな?」と思ってしまうほどでした。

しかもこれを作りながら、受講者の質問に答え、細かな説明もしてくださいます。

どんな質問にも丁寧に答えてくださるのですが、

言語化がとてもうまいのには驚きました。

言葉数は多くはないのですが、芯を捉えているからか、すごく理解しやすかったです。

話されていた内容等はぜひセミナーで体験してほしいので割愛しますが、

40分の実演を見て、先生の説明を聞いた1日目の終了時の私の作品がコチラ↓

なんとなくそれっぽくなりました!

「モチーフの真横の写真は必須」と片桐先生に教えて頂き、

その場でスマホで探したりしつつ何とかここまで出来ました。

資料集めの大切さも実感しつつ、終了時間の18時を迎えました。

途中に昼休憩1時間をはさみましたが、10時から18時までずーっと彫刻をしているので、

体力はそうでもないですが、精神的にかなり疲労感があります。

18時の終了後も残る人は残って作業して良いとのことで、

半分以上の方が残って作業をしていました。

私も30分ほど作業をしてから帰りました。

2日目

2日目は片桐先生による講義からスタート

目鼻口とはどのように成り立っているか、

溝があるのではなく、ふくらみの境目であるなど

立体を作る上で非常に重要なことを具体例をまじえて教えて頂きました。

その後は、ひたすらに造形。

そして午後から再度片桐先生の講義

「東洋人と西洋人の顔の違いについて」です。

ホリの深さがどのぐらい違うかを実際に彫刻を作りながら説明してくださいます。

右が西洋人、左が東洋人という彫刻を作ってくださったのですが、これもすごい。

何も見ずにぱぱっと作っていました。

実際に造形として見ると、その違いは歴然で、

「観察する力」「知る力」の大切さを思い知らされます。

講義のあとは、またひたすら彫刻ですが、

この講義の後から、人を見るときに造形として見てしまうようになりました。

人によって目と鼻のくぼみが全然違うのが面白いですね~。

家に帰ったときに家族の顔が立体物として見えて、意外と平面だな、などと思うようになりました。

そして2日目の最後に片桐先生による「才能」に関する講義がありました。

この話がめちゃくちゃよかった!!!

ちょうど会社のマネジメント関係で悩んでいる私にとってめちゃくちゃ響く内容でした。

造形の話というより、世界のトップレベルでお仕事をされていた片桐先生の

経験をもとにした「成長」への理解について教えて頂いた、という感じです。

この講義だけでも今回のセミナーに参加した価値があると感じたほどです。

自分のレベルの理解、諦めることの大切さを知れたことは、

私の今後の人生に良い影響を与えてくれると思います。

内容の詳細は、ぜひセミナーに参加して聞いてみてください。

これらの講義を受けた2日目終了時の造形がコチラ↓

対象への解像度は上がってきていますが、なかなかモチーフに似ないのが悩みでした。

片桐先生はセミナー中に受講者一人一人に声をかけながら、アドバイスをくださったり、

実際に例として彫刻を整えてくださるので、

なんとかここまで作ることが出来ました。

この日も1時間ほど作業をしてから帰りました。

3日目

最終日です。

初めに片桐先生による「表情についての講義」がありました。

右が泣いている人、左が笑っている人です。

表情は顔の筋肉の弛緩と収縮からできている、ということを実際に作りながら教えて頂きます。

講義の後は作って作って作りまくるだけです。

18時の終了時間まで、私も他の受講者の方もどんどん作り上げていきます。

昨日の講義で「自分が何を作りたいか」をはっきりと認識しているので、作るのが楽しくてしょうがない。

ただ、「何をすべきか」はぼんやりとわかるのに、

「どうすると良いか」はほとんどわからないので、1日目、2日目に比べて資料を見る時間が大幅に増えました。

作ったものと資料のどこが違うのかを何度も見返すようになりました。

そうして18時を迎えた私の作品がこちらです↓

初回に作ったものと見比べるとまるで違います。

たった3日間で本当にここまで出来るようになりました。

今見返すと泣きそうになりますね、成長がすごい。

最後はみんなで掃除をして打ち上げです。

家族のこともあるので打ち上げの参加は正直悩んでいたのですが、参加して良かったです。

「人見知りだし、どうしよう」と思っている方も絶対参加した方が良いですよ!

3日間、合宿のように苦楽を共に過ごした受講者同士なので、話すことは山ほどあります。

「誰を作ったんですか?」からどんどん会話が広がります。

造形をされている方なら特に新たな出会いもたくさんあると思います。

何より、片桐先生とお酒を飲みながら話せる機会なんてそうそうないですよね。

結局23時ごろまで打ち上げに参加して帰りました。

帰る道すがら

打ち上げで聞いた他の造形をされる方々のお話しで圧倒的な精神性の差を感じつつも

また参加したい、自分も何か作ってみたい、という気持ちになっていました。

片桐裕司彫刻セミナーに参加した感想

はっきりと言えますが、参加して良かったです。

むしろまた絶対参加したいと思っています。

初めてつくったところから3日間でこれだけ上達させてくれるので、

今後の自分がどこまで成長するのかの期待も大きいです。

再度初回からどこまで成長したかを写真で載せておきます↓

ちなみに仕事としてプロの造形師になる、ということは全く考えていません。

また、ものを作る仕事につきたい、とも思っていません。

今回片桐裕司彫刻セミナーに参加したことで、

心のどこかに少しだけあった「そういう人になれたらいいな」という気持ちは、

完全になくなりました

片桐先生のお話や、他の参加者の方の話を聞いて、

私は造形でプロになることは出来ないな、と思うのと同時に

今やっている自分の仕事のことめっちゃ好きだなと感じました。

好きだから必死でやれるし、何時間でも没頭できるのが今やっている仕事だと気づき、

これからも仕事でどんどん成長できるように頑張ろうと考えるようになりました。

そういう意味でもすごく良い機会となりました。

仕事にはしないですが「なにかを作る」という趣味は恐らく一生続けると思います。

実際に成長できるのは間違いないので、

参加を迷っている方は、ぜひ参加してみてください!

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この記事を書いた人

旅、読書、漫画、レコード、音楽、楽器、釣り、プラモ、ガレージキット、ぬいぐるみ、電子工作、ゲーム、レトロゲーム、片付け、ガジェット、金融、ビジネス、株など、趣味が多すぎる男。
実際に体験したことだけを書く、誠実な男。

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