Jackというブリーダー(特にエベノーヘラオヤモリ)がゲストを招いて、
ヘラオヤモリに関する話をするYoutubeポッドキャストです。
ちなみにEp1とEp2は「Leaf-tail Lounge」の説明や雑談が主で、
ヘラオヤモリの飼育に関する情報が少なめです。
Ep2はシナワニトカゲの繁殖の話がメイン。
EP.03はSydney Jersakさんという、カナダのエダハヘラオヤモリブリーダーをゲストを招いています。
Sydneyさんはエダハ、ヤマビタイをメインにブリードし、現在はトゲヘラオヤモリの繁殖に挑戦中。
ヘラオヤモリ飼育者にとって学べる部分がかなり多いので、
自分のためにも飼育に関わる内容を要約してメモを残します。
※全体を要約しているので、youtubeと語られている順番などは違います。
Youtubeの全内容も翻訳したので、気になる方は下記をご覧ください。
文章量で言うと、A4サイズで80ページ分くらいあってかなり長いですが、
非常に興味深い内容です。

ヤマビタイヘラオヤモリについて
JackさんもSydneyさんもヤマビタイの繁殖・販売をしています。
ヤマビタイヘラオヤモリの特徴
・ヘラオヤモリ初心者に最もオススメ
・とにかくタフでエサ食いが良い
・温度:20-24度
→10度を切っても大丈夫という記録もある。耐寒性はかなり高い
・メスは複数を同じケージで飼い、オスは単独飼育
・繁殖期になったら、オスをメスのケージに入れる
・卵はだいたい同じ日にハッチする
・クーリングはかなり低温まで冷やさないと、卵を産み続けてしまう
→メスの体が休まらない
ケージデザイン
・ケージサイズ:45*45*60
・エキゾテラを使用
・フルバイオアクティブ
・排水層:下から2.5-3.8㎝
・土:下から7-10㎝(通気口まで)
→ABGミックスかレプティソイルにコケや樹皮を混ぜたもの
・枝は白樺(バーチ)
※表面がゴツゴツしたものよりツルツルした木が良い
・枝は天井にねじ止めして、そのまま土に突き刺している
・植物はアラレア(ディジゴセカ)やディフェンバキア
※密度のあるワサっとした植物がオススメ
・UVBライトは、エキゾテラの6%のものを使用
※ヤマビタイだけでなく、すべてのヘラオヤモリにUVBライトを使用。
↓Sydneyさんの飼育環境
白樺の枝は、メルカリ等でも購入できます。
エダハヘラオヤモリについて
エダハヘラオヤモリの特徴
・温度:20-24度
→アメリカでは22度後半から危険と言う話もある
→急激な温度変化じゃなければ24度くらいまでは大丈夫
※温度にはかなりシビアな種類
・メスは複数を同じケージで飼い、オスは単独飼育
・日中はほぼ表に出てこず、植物の上で丸まっているかぶら下がっている
・地面にじっとしていたら、卵を産んでいるか何らかの問題がある。
→卵を産まずに地面にじっとしている場合、その後2-3日で良くない結果になることが多い
・ベビーの時にあるフロスティング(白っぽい点々)は成長と共に消える
・無理な撮影は尾切の原因になることもあるので注意。
ケージデザイン
・ケージサイズ:30*30*45
※30*30*60に変えることも検討中
・エキゾテラを使用
・排水層をだいたい2.5㎝
・その上に土
・各ケージにでかいフィカスが1本
・床には落ち葉をたっぷり敷く
・UVBライトは、エキゾテラの6%のものを使用
↓Sydneyさんのインスタ
ハイライトにある「Vivariums」を見ると、飼育環境がわかりやすいです。
エベノーヘラオヤモリについて
エベノーヘラオヤモリの特徴
・温度と湿度に強い
・ヤマビタイの次に初心者向け
・日中も外にいたり、ライトの下にいることが多い
→バスキングするという情報もある
・枯葉の中にもぐることがある
・地面でうごかずじっとしていたら危険なサイン
・同じ日にハッチすることはほとんどない
ケージデザイン
動画では話していませんでしたが、Jackさんのインスタで見られます。
トゲヘラオヤモリについて
Jackさん、Sydneyさん共にトゲヘラオヤモリを飼育しており、繁殖に挑戦中。
これまでに交尾や産卵はあったそうですが、すべて無精卵で、ハッチには至っていません。
トゲヘラオヤモリの特徴
・ケージサイズ:45*45*60
・メスは複数を同じケージで飼い、オスは単独飼育
→一時期オスも複数飼育していたが、ストレスを感じている可能性があったので、単独飼育にした。
しかし過去の雑誌の情報だと、複数飼育でも問題ないという人もいて正解は不明。
・過去の文献では、バスキングスポットを用意した、という記載もある
→高木層に住むヤモリなので、バスキングは有効な可能性もある
・メスはUVBライトの下に集まることがある
・オスは日中は全く人前に出てこない
・飼育環境は基本的にエダハに準ずる
トゲヘラオヤモリの繁殖
・8-9月からオスとメスを分けて飼育
・3-4月くらいからペアリングした方が良いかも
→6月にペアリングしたら繁殖失敗した
→今年は3-4月にペアリングして、一緒にクーリングを抜けていく感じにしようと思っている
・エサの給仕量を減らしてみる
→オスなら週にコオロギ2匹とか
・とある人は繁殖中のメスにはミディアムサイズのコオロギを与えるらしい
→成体のコオロギは栄養価が高すぎるため
スジヘラオヤモリについて
ついでで出てきましたが、重要な内容だったので掲載
・とにかく写真が苦手
→写真撮影が原因で尾切を起こしたことが何度もある
ヘラオヤモリの繁殖について
・孵化までの期間は大体100日。冬は120日
・10月-11月の気温が下がり始めたころにオスとメスのケージを分け、
春まで5か月ほど分けたままにする
・冬の間は給仕量を減らし、ペアリングの2-3週間前から給仕量を増やす
・温度が上がってきたらオスをメスのケージに入れる。
・ペアリングの開始は5月が良い。
4月では早すぎるし、5月末からだと遅い気がする
→6月にペアリングすると交尾はするけど無精卵の場合が多い
・ペアリングの期間は2-4週間。そのあとはまたケージを分ける。
→ケージを分けるのはオスにカルシウムを摂らせ過ぎないメリットもある
・クーリング中に個体が体重を落とした場合は無理に繁殖をしない。
特にメスは気を付ける。
・ペアリングしてちょうど4週間で初めの卵が産まれる。
・メスの健康状態、水分が足りているかをよく見る
・エサとして生後0-7日のカタツムリ(アフリカマイマイ)がメスのカルシウム剤に良い
・ビタミンAは卵殻形成に良い(月に2回程度メスに与える)
・生まれるベビーの柄(モルフ)はランダムなことが多い
普通の見た目の親からめちゃくちゃ派手な個体が生まれたりする
・孵化後24-36時間は孵化器にそのまま入れておく。
理由は、脱皮が終わるまで湿度を保つため。
クーリング
時期:10月-4月
期間:5か月程度
温度:18-20度(徐々に下げる)
エサ:完全にはやめないが頻度は落とす
飼育:オスは単独、メスは複数で飼育
※オスのカルシウム過剰摂取を抑制することも目的の1つ
重要なのは急激に何かを変えないこと。
環境の急変化にヘラオヤモリは弱い。
ゆっくり変化をさせることで、
生体にストレスが過度にかからないようにしているのかも知れません。
また、クーリング中にメスの体重が落ちた場合は、
繁殖をしないこともあるそうです。
クーリングをしても体重が落ちることはほぼないらしく、
体重が落ちたら健康維持に舵をきるのだとか。
クーリングが終わったら2-3週間かけてゆっくり温度とエサの量を戻していき、
体重に問題がなければ、オスとメスを同居させて、繁殖行動を促すそうです。
ハッチした個体の一定数の死について
繁殖をしていると、ベビーが原因不明で死亡することもあるらしく、
ハッチしたヘラオヤモリのベビーの死亡については、以下のように考えているとか。
・孵化後すぐに死亡してしまうベビーは一定数いる。
・同じ親でもクラッチごとにサイズ、生存率は大きく異なる。
・特定のペアだけ結果が悪い、ということもある。
・無理に生かすより、自然淘汰と認識する。
弱い個体を無理な延命をしないことで、健康な系統を残すことが、
結果的に野生採取を減らすことにつながる、
という姿勢のようです。
繁殖は飼育が出来るようになってから
温度、湿度、エサ、レイアウトがうまくいくようになって、
初めて繁殖を考えた方が良い、と言っており、
初心者が繁殖に手を出すのはお勧めしていません。
飼育がうまく出来ていないのに繁殖に手を出すと、
親個体に負荷がかかりすぎ、最悪死んでしまうこともあるようです。
ヘラオヤモリのベビーの飼育
・ケージには小さい組み立て式のアクリルケースを使用
↓後方の上段に並んでいるクリアケースなので、かなり小さいです。

↓このようなハエトリグモ向けのケージと思われます。
・オスとメスは一緒に飼育
→メスが卵を持てるサイズになったらケージを分けて飼育する
→分けずに飼育すると、小さいサイズで卵を産んでしまうことがある
・基本は生態と同じ環境(枝と植物)
植物はかなり密に設置する。そうすることで、全個体にエサを得るチャンスがある
※ばらまき前提なので、ピンセットで与える場合は気にしなくても良いかも
・床材はZoomedのフォレストフロアを使用(ヒノキの樹皮)
・ずっと高湿度(じめじめした状態)にせず、乾く時間もつくる
・ビタミンD3を生体より頻繁に与える
・UVライトは使用しない
→オスとメスを分けて飼育するタイミングからライトを使用
おすすめの飼育機材「Mistking」
複数飼育にMist King(自動噴霧器)がめちゃくちゃオススメとのこと。
charmで3.5万くらいで購入できます。
一度設定すれば、毎日自動で霧吹きをしてくれるので、
時短になるし、出張や旅行の際も安心なのだとか。
しかし成体とベビーを同じパイプにつなぐと、
ベビーは霧吹きの量が多くておぼれてしまう可能性があるため、
2台用意するか、ベビーは手動で霧吹きをするしかないらしい。
初めてヘラオヤモリを飼う方へ
飼う前にとにかくリサーチをすること。
また、飼育者、とくに長期飼育者に話を聞くこと。
この二つをやってほしい。
リサーチはグーグルで必要な設備を調べるだけではなく、
専門書や論文を読んで、しっかり調査する。
ヘラオヤモリは、明らかに簡単な種ではないので、
準備をせずに飼うと死んでしまう可能性が高い。
また、リサーチした内容の数値だけをみるのではなく、
その数値が意味することを考える。
山本の追記:カルシウムについて
メスのカルシウムに関する話が一部出てくるのですが、
その中でカタツムリがカルシウム摂取に良い、という話がありました。
実はこれ、Ep.1でも言及されており、
ヨーロッパではメスにカタツムリを与えるのが一般的なようです。
カタツムリは寄生虫を持っていることもあるため、
基本的にはブリーダーからカタツムリを飼うそうです。
カタツムリの寄生虫はパプリカやカボチャの種を与えることで、
自然な駆虫が出来るということも言っていましたが、真偽は不明。
また、Ep1では、カメ用のカルシウムブロックを枝に固定しておいている、という話もしていました。
しかし、舐めているところは一度も見たことがないらしく、とりあえず続けているだけなのだとか。
注意したいのは、オスにカルシウムを過剰摂取させないこと。
オスにカルシウムを与えないように気を付けている、という話はいたるところで複数回出てくるので、かなり気にしているのだと思います。
