パキポディウム、ユーフォルビア、ドルステニア、サルコカウロン、オトンナ、アガベなど
これらの塊根植物・珍奇植物を育てていると
必ず悩むのが土の問題だと思います。
今回はそんな土について考えてみたいと思います。
土は成長に合わせて変えるべきでは?
土のことを調べ始めると、本当にいろんな情報が出てきます。
無機質、有機質、化学肥料、有機肥料、鹿沼土、赤玉3本線、
鉢底石いるいらない問題などなど様々です。
真逆のことを言っている場合も良くあるので、初心者ほど迷ってしまいますよね。
私も悩んでいたのですが、最近気づいたのが、
生育段階によって、合う土、合わない土があるのでは?
ということ。
人間でも赤ちゃんの頃からミルク→ 離乳食→ 一般食→ 流動食と変わっていきますよね。
植物も人間と同じように生育段階に分けて土を考えてみる必要がある、と思い始めました。
仮説ではありますが、
植物の生育段階は大雑把に言って3段階あると思います。
生育段階の仮説について説明いたします。
1.発芽から実生1年未満の赤ちゃん期
これは種から育てる「実生」をやっている方以外にはあまり関係のない話かもしれませんが、
発芽から1年未満を「赤ちゃん期」とさせて頂きます。
赤ちゃん期は植物の生育によって3か月まで、半年までのパターンもあるかと思います。
この時期は、種が発芽しやすい土、そして発芽した植物が根を作りやすい土にすることが重要です。
2.1年~5年程度の成長期
1~5年というのはあくまでも仮です。
発芽した植物がある程度大きくなり、
植え替えを始める時期からある程度の大きさになるまでの期間のことを「成長期」とします。
この時期はとにかく成長を促進させる土、
栄養をどんどん植物に送り込み、植物が大きくなることを助ける土が良いと思います。
植物が大きくなったあと「成熟期」
植物が大きくなって、
ここからの成長は年に少しだろうなとなったあとは「成熟期」とします。
この時期は過度に成長を促すよりも植物が枯れないことに力を注ぐべきかなと思っています。
育成段階に合わせた土を使う
育成の3段階とそれぞれに合った土をまとめます。
※年数は目安なので植物に合わせて考えてみてください
個人的にはこの考え方で育てるのが良いのかな、と思っています。
うちにも各育成段階の株があるので、それぞれに合わせた土を使っていきたいと思っています。
なぜ「塊根植物には無機質の土」が良い、と言われるのか
「塊根植物には無機質の土が良い」という情報は、
成熟期の大株を扱うことが多かった時代の影響だと考えています。
無機質の土を使い、風通しや水はけをとにかく良くして、
栄養を過度に与えないことで糸状菌(根腐れの原因となるカビ)の繁殖を抑える、
というのが「無機質の土を使う」ということの1番の理由ではないかと。
急速に成長させる必要のない大株を、腐らせず・枯らさずに楽しむために、
「無機質の土」を使用する、という流れが完成したのではないかと思います。
現在は先人たちの知識や努力のおかげで、
塊根植物の種が手に入り、実生を楽しむこともできます。
成長初期の段階では、枯らさない、腐らせないよりも
いかに栄養を与えて早く大きく育てるか、が重要になります。
早く大きく育てることを考えると、
有機質の土で栄養をガンガン与えて、
根の張りや葉の展開を良くして、
塊根を大きくしていくことが大切になります。
人間と同じように、成長にあった栄養と環境を与える
これが植物の育成で重要なことではないか、
というのが最近の考えです。
大株を有機質の土に入れて栄養与えたらどうなるか、
という実験が出来るほど大量の植物は持っていないので、
あくまでの私の推察になります。
まずは、実生株を有機質と無機質の土で育てて、
その成長の差を検証してみたいと思います。